富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Is Japan set to lead after 20 years of torpor?

fookpaktsuen2012-12-23

農暦十一月十一日。天皇誕生日。快晴。早朝の気温摂氏十二度。寒風強く書室の冷房機の冬支度。白洋舎にクリーニングに出してゐたコートのカバーが冷房機覆ふのに丁度いゝ。冷房機の通気口をば「閉」にしてあるが、それなりに漏れて寒風入ってきてゐることは通気口に薄い紙をば翳してみると納得。冬至ってのが朝の日の出が一番遅くて日没が一番早いやうな気がするが実は違ふらしい。香港天文台のカレンダー(←これが美しい)によれば冬至の日出は06:59で日没が17:45だが明日廿四日は07:00に17:46で大晦日は07:03に17:50と日の出は遅くなってゆく。昼から所用あり出かけたついで中環の蘋果商店でAirPort Express購入。寝室でiTunes Touchで音楽聴くのに一つ端末必要になり取りあへずは旅行用に使ってゐた=AirPort Express一つあると旅行先でも客室でWi-Fiになるわけで、それを寝室用に宛てがったが旅行用がなくなってしまったので、その補充、のつもりがAirPort Expressの仕様変はってコンセント直挿し(写真右)から卓上型(写真左)となり、確かにコンセント直挿しにしては重く接続が不安定にな点もあり卓上型はさうした問題の解決にはなってゐる、が直挿しの利点は世界中の異なるソケットに対応できたことで、この新しい卓上型はコードとソケット一体型なので旅行の際は面倒。で旧型の直挿しはもう一度、旅行用に復活させ新型を居間に置くことにする。確かに今だと見た目には新しい卓上据置の方が見栄へは良い。ネットワーク経路を絵図で見ると何だか豪邸のやうだが狭いマンションで電波が真っ直ぐ進まないだけのこと。里芋のグラタンを食べ伊太利はSchiopetto Collio DOC Sauv 2008飲む。大河ドラマ平清盛」最終回 眺める。平清盛が主人公だから清盛が亡くなったアトは後日談になってもおかしくはない、が清盛逝去から後白河院崩御義経最期までがあまりに駆け足の説明調、で何が驚いたか、っていきなり足利の高氏の世となり「ついに清盛が望んだ大陸との貿易(日宋貿易)が始まった」で完了……やはり日本にとって大切なのは中国との貿易!これなくして日本なし、がNHKは言ひたかったのかしら(笑)。続けてNHKスペシャル「日本国債」見る。ギリシャ以上に深刻な末期的症状。ギリシャは国が破綻してもギリシャ人は破綻も何も関係ない、が日本はジム=ロジャースは三つの必要性のうち「まず子どもを増やす」も「移民の増加」も拒否、となると「生活水準を下げるしかない」のは指摘として真っ当。「国破れて参賀あり」で気違ひな「強い日本」の国粋主義以外、何が残るのかしら。それにしても晋三がアベノミクスなんて宣って景気回復しようとしてゐる矢先にこの番組、かつての「従軍慰安婦」以上に晋三に叱られるんぢゃないかね(嗤)。兎に角、海外の論調はこの経済改革にとても懐疑的。例えばロイターで流れてゐたAnatole Kaletsky氏の“Is Japan set to lead after 20 years of torpor?”(こちら)は

Outside Japan, no central banker or politician has yet gone beyond pumping money into bond markets through quantitative easing. And nobody has suggested, at least officially, that central banks should directly lend to governments or finance one-off tax cuts. ……By breaking the taboos created by the monetarist revolution of the 1970s, Japan could accelerate and reinforce the revolution in economic thinking that started in 2008. After 20 years of Japanese torpor, could the world be transformed again by ideas “Made in Japan”?

と述べてゐる。晋三は愛国心だけは長けてゐるやうに見えるが小泉が「自民党をぶっ壊す!」と雄叫び上げて日本の仕組みを壊したあと晋三も経済体としての日本を毀はすのに大いに貢献しよう。なぜこれが愛国者なのか、あたしにはまったく理解できぬ。
天皇陛下七十九歳誕生日にあたりの記者会見(こちら)。核禍と沖縄には触れたが憲法には触れず。憲法は普遍法だから改憲など論外、触れることもない……か。「私自身、近年山道を歩くとき、転びやすくなっている」と陛下。陛下も齢八十。おりん婆が辰平に背負われ楢山参りが齢七十、と思うとそれより十歳も上でも「山道を歩く」時代。安倍晋三が政権投げ出すまで、どうぞ陛下お元気で。
内海桂子師匠が呟板で、どぜう首相を誉めてゐる。

この選挙期間中、野田さんの気迫の主張を幾度も見たがこれを普段の時にもっと見せればよかったのにと思った。負けるのが分かっていながらこの時期に解散を決断した党首の責任を追及する発言が出ているとか。何も策はないけれど任期までは権利があるから続けるべきともとらえられるが本旨は何なのかね。

ほんと民主党は壊滅的打撃だが、あのまゝどぜう首相が続投したところで何もなかったわけで、この自民党政権復活がいったいどう出るか……どぜうが義賊となるか、戦前の西園寺公なみに誤謬が後世まで指摘されることになるか、如何に。
蘋果日報で日曜にときどき連載となる嚴家祺先生の文革後から八十年代の回想録が本当に面白い。今日は「高行健的元配夫人」(こちら)。