富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

冬至

fookpaktsuen2012-12-21

農暦十一月初九。冬至。古代マヤ暦だかで今日が地球の終はりらしいが、岡崎京子の漫画の始まりのやうに何もない平凡な日が始まってゐた。昼に九龍湾、陶大花園、2003年のSARSで世界的に有名になったマンション群だが当時は香港でも「それ、どこ?」といふ感じだったのがMTR站からは多少不便だが長沙湾の公共団地の再開発に伴ひ陶大花園のショッピングセンターも、殊に飲食店がかなり充実して、その中の一つにトンカツの「かつや」の出店=吉豚屋にて昼を飰す。HK$65で豚汁がついてロースカツ定食。昼も遅めで空いてゐたが静かにキース=ジャレット流れてゐて不思議な空間。冬至なので少し早めに仕事上がる。銅鑼湾からヴィクトリア公園で開催されてゐる工展を覗く。かなりの人出だが冬至の午後で覚悟してゐたよか少ない。大陸からの買い出し客も悪夢ほどでなし。広東省各地行きの越境長距離バスまである。去年、理容I氏に勧められたアバディーンの冷凍海鮮問屋の出店で冷凍のタコ、菓子製造のGardenで福袋、これがチェックで可愛らしい、購ったのみ。帰宅途中に宅急便の服務中心に寄る。三日前に出して翌日届くはずの出先からの荷物が2個のうち1個がまだ届かず顧客熱線の電話はずっと通話中でつながらずメール送っても返事なし。かなり繁忙なのはわかるが……。配送中の車に積んであり連絡をとったので、本夕のうちに配達する、と職員氏は平謝り。晩に今日買ってきたタコも入れて「おでん」煮る。蘋果電脳のiTunesは、二つの違う国、エリアのアカウント有しても自分のパソコン上はいずれから下戴した楽曲、アプリケーションも使へる、といふことが今になってわかって従前のものを香港専用として別に松竹歌舞伎界のVisaカードで日本のアカウント作成。まずは山下洋輔氏のスパークリングメモリーズをば下戴して拝聴。宅急便の荷物は結局届かず。
▼英エコノミスト誌の表紙“A rough guide to Hell”にはで世界各地の経済問題が上手に戯画になってゐるが問題は Where is Japan!!! in this front cover...already withdrawn from the world??? てなわけ。新潟M氏は“Japan may not go to hell.”と。さうか、さういふ見方もないわけでもない、何たって安倍さんが日本の経済を復活させてくれるのだから。日経だって「政府と日銀、回り始めた脱円高・デフレの歯車」といふ見出しで「自民党安倍晋三総裁が主張する「アベノミクス」から生じた円安・株高の流れは、より確かなものになる可能性が強まっている」……と(こちら)。迂生、幼いころに都新聞読みながら祖母が日経を「あんな株屋、相場師の新聞」と嗤ってゐて、その頃から日経に疑ひ深くなったが、これもあまりに予定調和的な提灯記事

At present, financial markets are behind Mr Abe. Yet pushing the central bank around hardly adds up to an economic policy. Mr Abe needs a much broader to-do list. He should get more women into the workforce, radically deregulate the economy and follow the lead of the outgoing prime minister, Yoshihiko Noda, by committing Japan to membership of the market-opening Trans-Pacific Partnership. If he does all this, Mr Abe could just become the man who pulled Japan out of its long economic funk.

エコノミスト誌の指摘(“Japan’s election - Go on Mr Abe, surprise us” Dec 22 2012)。迂生読んだかぎり海外の論調は正直言って「安倍は無力」なり。
▼朝日に丹羽宇一郎前中国大使のインタビューあり(こちら)。丹羽氏の主張のどこに間違ひがあるのか。まるで予言者のやうに彼の憂ひの通りの日中対立。どぜう首相が「陛下からの」特命全権大使を非難し実質的に更迭したことがどれだけ不正常なことか。

スパークリング・メモリーズ

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