富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

景山民夫が生きていたら

fookpaktsuen2012-12-18

農暦十一月六日。晩に久々に中環でFCCに往き曼谷Y氏来港でZ嬢と三人で忘年会。前菜とサラダ、フィッシュ&ポテトをシェア。Ch de Plassan 2010年。ちなみに右に掲載のポスターは1982年6月、デザイン:浅葉克己でコピー:糸井重里といふ大御所お二人の30年前の作品ださう。
自民党への政権交代良かった、が57%と朝日新聞。それでも全有権者で見ると自民党支持は地方区で24.7%、比例区で20%に過ぎず。国民の四、五人に一人が支持する極右カルトが総裁務める政党が安定多数で政権を担ふ。中共並み。投票率は59.32%で戦後最低。中選挙区制でずっと60%後半〜70%だった投票率は現行の小選挙区比例代表になり1996年選挙で60%、そのあと05年の小泉郵政選挙、09年の政権交代選挙で60%後半となったが今回6割切れ。明らかに「小選挙区制では自分が投票した候補者が当選しない、自分の一票が反映されない」といふあきらめも作用。やっぱりこの選挙制度導入の細川の殿は江戸時代なら武士の時代なら切腹もの。憲法の9条改正に賛成の議員が75%を超えてゐるといふ。末期的。
東京都知事選では猪瀬某が石原辞任の棚ボタで434万票獲得。石原の300万票でも呆れたが石原は嫌ひだが稚拙な主張もあるにはあるので信じる都民がゐるのもまだわかるが『ミカドの肖像』で少し天皇ネタ齧った読書家なら誰でも知ってゐるやうな八瀬の童子や宮家邸払い下げで堤義次郎のプリンスホテル建設なんて事をまとめて上梓したライターが……って猪瀬に投票した都民の何割が『ミカドの』など彼の著作読んだか知らぬが、衆院選挙と同日投票で石原維新効果もあるにせよ、だうすればこのライター上がりに434万票が集まるのか。末期的。考へてみれば三人続けて作家上がり。石原、猪瀬で出来るなら、どうせなら景山民夫さんがあんな亡くなり方さへしなかったらあの人を都知事にしてみたかった。
▼「引港大學者 郝鐵川:中央對港有10權」と明報。郭榮鏗斥節外生枝、扭曲基本法。中聯辦の宣伝部長郝鐵川が司法界選出の立法界議員・郭榮鏗の「中央が香港に対してもつ権力は外交と国防」といふ発言を基本法に即して間違ってゐる、と非難。郝鐵川は香港大学法律学部が中心となり香港の有数なる法学者のまとめた『香港法概論』引用する形をとり中央は香港に対して10項目の権力がある、と指摘。それに該当するものは「基本法改定」「国防と外交」「特区主要官僚の任命」「基本法の解釈」「違憲審査」「全国性の法律(国防や軍事)の香港適用についての判断」「緊急事態発生時の対処」「法律(条例)の基本法合致についての審査」「国家行為と司法管轄」「反国家行為の禁止とそれに関する立法」と、確かにその通りだが、任命権などは当然として緊急事態の発生など除けば「外交と国防」は香港特区にその権限がない、国家にある、と発言して何ら問題ないわけで、それをわざ/\中聯辦の幹部が言及してみせるところが末期的。
▼「橋下さん、そんなんちゃうやろ」と西川のりお師匠(朝日、こちら)。「橋下さん、髪の毛ピシーッと七三分けにしたでしょ。何や日本ハムから巨人に移籍してひげそった小笠原選手か、思いましたわ」と、さすが漫才師。
▼将棋の米長邦雄・永世棋聖、元名人逝去。69歳と意外と若かった。「日本中の学校において国旗を掲げ国歌を斉唱させることが、私の仕事でございます」で陛下に「強制はよくない」と窘められ晩節を汚す。