富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

まつりごとをあさむ

fookpaktsuen2012-09-11

農暦七月廿六日。尖閣=釣魚、日本政府がお買ひ上げでまた「多少の」騒ぎに。とにかく日本も香港含む中国もマスコミはこの領土問題で過剰報道慎むべき。マスコミがバカだから民草が余計バカになる。立法会選挙から一夜明け今日のマスコミの論調は昨日の立法会選挙での泛民主派票配分の粗忽さに尽きる。民主党の現職2人が落選の新界東など公民党が2議席目狙ひかなり集票の結果、3万余票が無駄に。得票率から議席数を出すと泛民主派:親中派は5:4なのに実際の当選は逆転して4:5に。「たら、れば」だが公民党の1万票が民主党に流れてゐれば民主党現職2人は当選してゐたはずで6:4といふ泛民主派圧勝。たゞそんなことになつたら深圳から人民解放軍が鎮圧に来そうだが(笑)。それにしても民主党の不甲斐なさ。泛民主派で諸派の乱立もあるが2004年に542千票だつたのが08年に346千票、今回は247千票で議席は8議席から4議席に。野党第一党は公民党(5議席)に譲り得票数でも過激さが売りの人民力量(176千、3議席)と社民連(88千票、梁「長毛」國雄1議席)支持の方が多い。「民主黨受重挫所反映選民求變日新之心、超出合理範圍的配票行為,在選舉中浮現濫用之勢、社會內部的合作凝聚力不斷弱化,使香港推進民主、建立善治社會的進程受到更嚴峻的考驗。」(信報社説)でかつての最大勢力の野党は中道化、多少の西環=中聯辦シフトで(これはアタシは政策的には間違つてゐないと思ふが)有権者はこの中途半端さ厭ひインテリ左派の公民党、プロレス的過激さの人民力量+社民連、それに地道な原則論曲げぬ民主派小政党(工党、街工)支持に回つたもの。かうなると寧ろ民建聯でも露骨な中共支配嫌ふリベラル右派勢力と中道政党化もありなのではないかしら。……と政治といふか政争ゲームは話題尽きぬが、この大衆芸能に付き合つてゐるとアタマがかなり悪くなりさう。今日届いた船便は尾方孝弘『秘密基地の作り方』(飛鳥新社)、別冊太陽の中上健次特集(逝去廿年特集)に大野晋『古典基礎語辞典』とどれも素晴らしい。まず『秘密基地』を読む。押し入れ、畳を上げ、廃材を利用し薮の中……なぜあれほど秘密基地が楽しかつたのかしら。たゞこれは大人になつても狭いながらも書斎につながつてゐる。そこで『古典基礎語辞典』を紐解く幸せ。「まつりごとをあさむ」だ。昨日はビール飲まない決意したが今日は「もしかするとこれでアルコール断つと足のだるさも失せるのでは?」と思ひアルコール抜き、しかも食後に晩三更に小一時間ジョギングしてみたらかなり樂。少なくても恒常的に晩酌なるものは止めようと思ふ。健康指向なのではなく歩くのを厭ふほど足がだるすぎるのだから。

秘密基地の作り方

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古典基礎語辞典

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個人的に欲しい本はこれ(下)
ジェイムズ・ジョイス全評論

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