富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

アジアユースオーケストラの仏夜

fookpaktsuen2012-08-11

農暦六月廿四日。雨が降つたり止んだり。午前中は陋宅書室で机に凭り昼に三輪そうめん。晝すぎにジムで久々に筋力運動。早晩にZ嬢と尖沙咀。いくつか買ひ物に従ひLock Rdのイスタンブールケバブに飰す。繁盛する食肆にて確かに美味。文化中心。Asian Youth Orchestraの香港公演。指揮はこの楽団の団長リチャード=パンチェス。パンフレットに不愉快な顔が二人並んでゐて興醒め。パンフレット閉じるとこの二人、接吻するよ、と笑ふしか無し。 昨晩ワグ9で今晩は「海」と「幻想」の仏夜。が、やはりドビリオーズは若手には六ツかしいか。フランスのこのテのは、も少し人生でいろ/\あつてからぢゃないと楽譜では弾けるが面白みまではとても出せぬ。パンチェス先生もけしてフランス物といふ芸風に非ず(むしろこちらを昨晩ワグ9振つたジェームス=ジャッドのほうが面白いのではないかしら)何だかぎり/\まとめるだけはまとめました、の出来。まだこれから八月末まで天津、北京、上海、西安台北二夜、群馬、仙台、東京二夜と続く巡演の始まりなので東京オペラシチーの頃にはもつとこなせるやうになるだらう。たゞ例年に比べ今年はどこか地味。ドビッシー、ベルリオーズなどより(やはり「のだめ」ぢゃないが)ベートーベンの七五三、ブラームス1&4あたりをやる方がアタシはいゝと思ふ。一昨日は摂氏34.9度でこの夏最高気温だつたさうだが昨日も少し風があり今日も少し涼しげ。昼間の雨で煤塵も失せヴィクトリアハーバーがきれい。久々にスターフェリーで帰宅の途につく。コンサート前に酒をひつかけると眠くなるので禁酒してゐたのでフェリーで夜景愛でつハイネケン飲む。
▼(韓国大統領の竹島上陸に)これはしょうがないんじゃないですか。敗戦のどさくさに「李承晩ライン」ってのを勝手に引かれてね。北方領土と違って口惜しい話だけどね、あの時の日本は身動きがとれなかった。かといって彼らが領土だと言って要塞まで造って観光名所にしてるという現実の中でね、これはなかなか難しいですよ……と石原の都知事会見でのコメント(都新聞)。なか/\冷静なのね、と感心。靖国参拝も「どうやって肩書、外すんだね」と。たしかに「公人ですか、私人ですか?」なんて記者の質問が野暮、公人、私人なんてイカサマに過ぎない。
▼都新聞の社説「消費税増税法が成立「代議」機能せぬ危機」必読(こちら

国民は選択していない消費税増税を、民主党政権が政府や国会の無駄を削ることなく、社会保障改革の全体像を示すことなく強行したことに怒りを感じているのだ。
当初は公約違反を批判しながら公共事業費増額との引き換えなのか、消費税増税に加担した自民、公明両党も同じ穴の狢(むじな)である。
自分たちの思いが政府や国会に届いていない、代議制が機能していない危うさを感じているからこそ、消費税増税に国民の多くが反対し、脱原発原発再稼働反対を訴える人たちが週末ごとに国会周辺を埋めているのだろう。
政府も国会も、マニフェスト違反の消費税増税や首相の再稼働容認を機に代議制が危機的状況に陥りつつあると気付くべきである。
この状況を、国民が政治の「劣化」と切り捨てるのは簡単だが、それだけで政治は変わらない。街角で声を上げることは重要でも、その声が為政者や議員に届かなければ政治を動かせない。
代議制を鍛え直し、政治を国民の手に取り戻すには、選挙で意思を示し、議員や政権を厳選するしかない。

と、その通りなのだが、それぢゃ厳選できるだけの政党があるかしら。ここが「維新」の狙い目。個人的には民主党なき今、主張で最も共感するのはアタシは代々木。反対党でしかないのかもしれないし共産主義政党に政権をば委ねやうとまでは思はないが議席増といふのは政治的に好影響かしら。