富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

リセットできない日本

fookpaktsuen2012-08-05

農暦六月十八日。週末土、日と続けて休んだのは六月末台北に遊んで以来。無為となると今年初。昼前にジムに往き小一時間走る。まだ猛暑で外を走る気にはなれず。午後も読書などして過す。なぜかふと乱歩の二十面相を少し読む。早晩にNHKでマイケル=サンデル教授が東京で数千人相手に「これからの日本の話をしよう」放送してゐたので何となくながめる。何も目新しい話ではなく進駐軍の御代「新しい民主主義の話」を聞かされたとの大差ないが、あのやうなことを「民主主義の先生たる米国」から聞かされないとわからないといふのか。あのくらゐ高校生でも自ら考へないといけない。それを「勇気をもらった」とか「なんだか希望が湧いてくる」とか相変はらずのノーテンキ。それにしても我が同胞はだうしてライシャワーヴォーゲル、サンデルとかうも米国人の先生に誉められるのが好きなのかしら。夕餉は浅蜊のパスタだつたが Ch La Mission Haut-Brion のセコンド、La Chapelle de…06年を飲む。NHKのワールドプレミアムは四年に一度のことでオリムピック始まると海外には中継できないので番組足りなくなり地方局の番組かなり流す。今晩は福岡放送局の「きん☆スタ」といふローカルバラエティ番組で「ぶっつけ本番!鉄道の旅 長崎・佐賀ローカル線の旅」とこれだけなら何の変哲もないが旅人が向谷実先生!なので松浦鉄道の車掌に気動車の車型について質問したり運転席の構造などに話が及びつい見てしまふ。
東京新聞の社説「リセットできない日本」が凄い(こちら)。「週のはじめに」で長文の社説だが週の初めにこれを読まされて暗澹たる気分(笑)。政権交代から三年目の夏、「日本の政治が変わる」どころか脱官僚・政治主導、国家戦略、地域主権原発再稼働、消費税……と問題山積みで「残念ながら「日本はリセットに失敗した」と言わざるをえません」と。この問題に新聞社としても反省があり「霞が関や永田町という取材源が変わらず、取材源との距離も取材方法も変わらない」といふ。マスコミへの不信。国会議事堂での抗議行動は「マスコミが「人々の声」を十分に伝えてこなかった裏返しでもあるでしょう。私たち新聞はどう変わっていくか。そこをしっかりと考え、行動していきたい。」とこれだけ書くだけでも全国紙に比べ立派。ところでこの新聞、アタシは今でも「都新聞」と読んでゐるが今でも花柳界、踊りに小唄……と記事も暑中お見舞いの時節の企業広告も芸事の世界なのには驚いた。

政府の意図するところは3つの案を示せば「まん中で早くまとまる」だつた由。0%は景気への悪影響が懸念されたさうだがもと/\悪いばかりで出口なき不況なのだから今更もう景気への悪影響など気にする必要もなからうに。