富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

千五百年前に遡る精神的な共同体のとしての日本?

fookpaktsuen2012-05-02

農暦四月十二日。今日の蘋果日報一面トップ。香港政府元高官の橋王・許の収賄容疑。あらたに6千万ドルの贈賄元が
許獲批的 7,000萬港元無抵押透支當中,有 6,000萬港元來自一間香港華資大銀行,該銀行不少高層均活躍政商界,特別是當中一名極高層,屬香港重量級政商界超級猛人,不論於前特首董建華還是現任特首曾蔭權年代,均有舉足輕重地位
……って地場銀行のトップで政財界の大物、って誰が考えたって李王朝でKing Arthurの兄、Baby頭取しかいないだろうに。一昨日、銀座太郎でS氏と話したのも今回のこの贈収賄での官界、財界の大物捕り物の意図されるところが何なのか皆目見当つかず。本夕、紅磡に一仕事あり北角からフェリー。10分でハーバー渡る便利。初めてLaguna Verde(海逸豪園)といふ団地に足を踏み入れる。十年前は鶴園発電所だつた場所に高級マンションぎゅう/\に立ち並び日本人多し。交通は不便だが海景と同じ予算なら香港島よりマンションも広く人気あり。隣に地産獣がFisherman's Wharf(漁人碼頭)なんて造つてみたが見事に失敗。麥当奴で打合せ。なんだか保険勧誘の如し。かなりの蒸し暑さのなかハーバー沿ひ漫ろ歩きフェリーで北角に戻る。北角碼頭のセブンイレブン隣りの快餐店の魚蛋は今どき魚のすり身だけ、の本物でほく/\。久々に寿司加藤。一時間遅れで知己の食事会に参上。末席汚す。焼酎の水割りとお湯割り一杯ずつ。何ヶ月ぶりかしら、の日本酒をお猪口に二杯。
▼明日が憲法記念日東浩紀君は憲法改正試案づくり中の由。311で「僕たちの世代が新しい日本をゼロからつくっていかなければダメだ」といふ危機感からださう。新しい「日本2.0」を創る手段として憲法改正。世の中を考へる手段として自分で憲法を作つてみるのはオススメ、と、それは否定せぬが「幻想だとしても、千五百年前まで遡る一つの精神的な、更にけして排他的ではなく外国人住民も含めた共同体としての日本」だとか。<日本>なんて観念が精神的な共同体になつたのはまだ百数十年なんだ、って(嗤)。確かに政治的状況を見れば東君のいふ通り憲法改正といふと強いリーダーで右翼であり左翼はそれを批判するが強いリーダーが出てこないことこそ左翼の問題だと東君は指摘するがアタシは右翼より左翼の強いリーダーのほうが怖いよ。東君ほどの優等生が「日本国や日本人とは何かということを人工的にきちんと再定義しておかないと、この国は100年先までもっているかわからない」とご指摘。憲法といふのは普遍法であるべきで日本といふ国家や日本人なんてものの定義なんてレベルにあらず。アタシはどんなことをしても近代革命でも起きないかぎり(だから現実的に不可能なのだが)100年先まで日本はもたないと思ふし(50年も微妙だ)、逆説的にいへば日本国憲法に謳われる理想が実現するなら日本でもどの国でも、日本といふ国家が解体しても理想的社会がそこにあれば良い、と思ふのだが。米国なんてアタシは嫌ひだが理念としては民族を超え理想的な国家建設が夢見られてゐるわけで、さういふ国家が建設されるなら英国人とか黒人とかヒスパニック、華僑とか出自の民族は二の次なのと一緒か、その発想は。