富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

澳門に遊ぶ

fookpaktsuen2012-03-21

農歴二月廿九日。朝九時のジェットフォイルでZ嬢とマカオへ。フェリーターミナルから漫ろ歩いて普済禅院に賽し常宿の望厦賓館に下榻。また紅街市の方まで歩き路線バスでタイパへ。大昌超級市場でオリーブや塩など食材贖ふ。今日も復たCastiçoで昼餉。鶏のレバーとハツの煮物。カルドベルデ。豚のスペアリブ。赤葡萄酒。チョコレートケーキのデザートのあと馴染みのA嬢がモスカテルと盃を持つて来てくれる。これもいたゞいて席を立つとマカオも室内禁煙でご亭主のX氏と常連の葡人の客数名が店の前で一服しつゝおしゃべり。そこに捕まりモスカテルをさらに一杯勧められる。葡萄牙はそもそも日本の種子島に銃をもたらしマカオには日本追われた天主教教徒が客居し1919年には難破したマカオ船籍の船が……とこの逸話はアタシは知らなかつたが兎に角皆さん日本に親近感は嬉しいところ。路線バスで紅街市まで戻るが葡萄酒とモスカテルの酔ひで車中爆睡。ホテルに戻り午睡。日暮れ。風邪で体調今二つ。望厦賓館は前室に大きなライティングデスクありPC完備。全室Wi-fi完備でLANケーブルもなくなつてゐる。古めかしいホテルなのにかうした設備改善は立派。二更に出街。マカオでもアタシらは三盞燈の圓環公園から渡船街、蓮溪廟、白鴿巣公園の北側に抜ける裏町が好き。観光客に遭遇もせず賭博都市とも思えぬ、アタシの子どもの頃のような街の夜の賑はひあり。二時半までの昼餉で腹がまだ空かず六記粥麺で軽く名物の揚げ餃子、蝦子撈麺、魚片粥を飰す。腹ごなしにまた歩いて旅寓に戻る。この往復で一万歩ほど。なか/\いゝ運動。岩波「世界」四月号読む。
▼朝日の香港行政長官選挙に関する報道でこれまでの選挙は第一、二回は無投票、第三回は選挙が実施され現任(貧官曽)が……とあり、確かに前回は汎民主派が公民党の梁家傑擁立だつたし、その前に無投票もあつたが1996年に翌年の香港返還控へた第一回目は董建華董建華……とお手盛り選挙だつたものゝ董建華の他にY.K. Paoの婿さんと香港大学の元学長が出馬したわけで無投票ではなかつただらう、と思つたが調べてみると厳密には、あの1996年の行政長官選挙は返還前で中共が第1回政府推選委員会なるもの組織し深圳で選挙したもので香港での行政長官選挙には非ず。さういふ意味では2002年の董建華続投決めた無投票のあれが一回目となる。覚へ書き。
朝日新聞大江健三郎「定義集」連載終わる。加藤周一吉田秀和と並朝日の誇る三大老人連載だったが貴重な提言語り続けた周一、まだ矍鑠とする秀和青年に比べ大江のこの連載は晩節を汚した感あり。