陰暦二月十七日。春分。昨日の香港への復路のフライトからだうにも胸の閊へのやうなもの甚だし。睡魔のやうな目眩のやうな。寝てゐるあひだにも天井が回るやう。今朝も起きると脱力感と地面がいつも揺れてゐるやうな感覚。実家では努めて必要なことをテキパキと済ませアトは日常生活を、と思つて上手くやつてゐたつもりだが、やはりかなり緊張してゐたのかしら。でも十一日の本地震を体験してをらず、かうして一寸手伝つてお茶濁した程度で成田から去つてしまふアタシがなにを弱音を、と我ながら恥じるばかり。それでも終日ふら／＼。昼に北京から来港中のD氏とハッピーヴァレイの駿景軒で昼飲茶。旧交暖めつゝ昨日の香港ダービーや鉄道の話。中国にとつては西域から海南島までどんな僻地からも北京行きの列車走らすことが国家的大事で更に新幹線網の整備といふことにまで進展。アタシが冗談で「北京的には台湾海峡もトンネル掘つて北京発台北行きをば走らせたいのでせうね」といふとD氏が「いや、あるんですよ、その計画」と見せてくれたのがこれ。ありゃまぁ……新幹線はすでに台湾が独自で開業してゐる台湾新幹線もすでに中国の図式に組み込まれてゐます（笑）。どうにか今日中に済ますべき仕事だけ済まして夜半帰宅。気分すぐれず夕餉は食す気にもなれず。
▼「陛下が京都に」の噂は京都迎賓館で（こちらの）国際会議あり同じ敷地で御所周辺も厳重な警備。で陛下御在京の風聞。いまは陛下そして皇室にとつては東京に留まることの大事*1。あり得ぬが密かに東京から安全なご用邸にでも遊ばされたらヴァレンヌ事件の再現で遂に日本でもフランス革命が起こるか、と築地のＨ君。陛下の存在の大きさといふものは、例へば自衛隊、消防警察への指示も菅丞相が放水命ずるよかやはり陛下より
原子力発電所の状況が予断を許さぬものであることを深く案じ、関係者の尽力により事態の更なる悪化が回避されることを切に願っています。
とお言葉があると、それは大御心、これに応えることの大事、覚悟を感じてしまふのが明治中期に作り上げられた天皇制に基づく日本の国のかたち（constitution）そのものなのだらう。天皇制の効用、と武蔵野のＤ君。
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