富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

澳門Teatro D. Pedro Vで歌劇「ディドとエネアス」観る

fookpaktsuen2010-10-17

十月十七日(日)朝のフェリーでマカオ。晝を食すまでとくに何もすることなく路線バス乗り継ぎコロアネ。コロアネの路環の集落で八百屋など数件並ぶ路地がRua Dos Negociantesで客商街といふ。商取引なのね。何するでもなくぼんやりとして朝酒に麦酒。タイパに戻りスーペルメルカート正昌で食材購ひ、いつものことでCastiçoに晝を食す。正午過ぎに訪れたのに女給に「遅い朝食、早めのお晝?」と尋ねられる。とても珍しいことに、この食肆に「香港から、いかにもOpen Rice(開飯、こちら)系」の若者の集団が入つてきた。Z嬢が「Open Rice」と口に出来ず「開け、飯!」と。路線バスで市中央に戻り澳門世界遺産の一つとなつたTeatro D. Pedro Vの小劇場。今週はアタシは水曜日から(Z嬢は火曜日から)秋の芸術週間になつたが今日がその千秋楽でFestival Internacional de MúsicaでHenry Purcellのバロック歌劇“Dido e Eneias”(ディドとエネアス)観る(公式)。この小劇場の自然に音の良く通ること。カルタゴの王妃・ディド役のRebecca Ringle(公式)のメゾソプラノが素敵。舞台が跳ねると、まだ客がテアトロから出きらぬうちに舞台で記念撮影でほのぼの(写真右上)。テアトロには香港の観劇界の大御所少なからず。京劇T氏にご挨拶。市街を漫ろ歩き二龍喉公園に至るが、道すがら禮記アイスに寄つたらテアトロから評論家ご一行もこちらに。利多餐庁に夕餉食す。Z嬢が齢八旬の女将にNHKテレビに出られたの見ましたよ、と告げると女将溢れるやうな笑顔。21時発のフェリーの切符だつたが19:30に埠頭に着き早い便のスタンバイに並ぶが乗れたのは20:30となる。何が不便って「一度乗つて懲りた」プレミアフェリーが相変わらずガラ/\なのだが普通便からの追加料金でのアップグレードもスタンバイも認めぬので、この前後のスタンバイがかなり混雑。待ち合いの時間に花村萬月ゲルマニウムの夜』王国記①読み始める。
澳門の殺伐とした新興カジノ街眺めてゐて思ふがヴェネチアマカオなど見た目だけのために架けられた橋梁、誰もそこに出ることもない見せかけのバルコニー等等。映画や舞台のセットは見た目だけの「はりぼて」に特化してをり建物でないことで不幸を免れてゐる。建物として本来、使はれてナンボ、で作られたはずなのに、実用性がないことほど建物にとつて悲しいことは、ない。
▼上海万博が昨日103万人の1日入場者数最高を記録し、同時に累計入場者数は6,462万人で大阪万博の6,421万人を超え世界新記録。いろ/\な意味で「さすが」。とにかく万博から二酸化炭素排出量まで何でも全て世界一を目指してくれ。

ゲルマニウムの夜―王国記〈1〉

ゲルマニウムの夜―王国記〈1〉

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