富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

曹禺生誕百年で北京人民芸術劇院「北京人」

fookpaktsuen2010-10-16

陰暦九月初九。重陽。野良仕事あり夕方、按摩。重陽節で市街に家族連れ多し。本来の東アジア、かくあるべき。晩に葵芳。葵青戯院。曹禺(1910〜1996)生誕百年。曹禺の芝居「北京人」を北京人民芸術劇院公式)で観る。芸術指導が歐陽山尊(歐陽予倩の甥)で演出は李六乙。かなり斬新な舞台装置で北京の邸での物語を見せるがアタシは素直に四合院のセットで良からう、と思ふ(右の写真は同劇団の曹禺逝去十年追善)。封建的社会の末期で北京の或る富裕家族の没落と<近代>へ移行するなかでの苦悩といふテーマだが、アタシはやつぱり苦手。芝居としては老舎のもつと素直な世界、小説としては巴金なら読めるが曹禺なら「雷雨」の方が好み。「北京人」の苦悩が「じれったい」。みんなで何を悩んでゐるのか、今晩も一生懸命考へたがアタシには解らない。「近代になる」苦悩がアタシはどうもピンとこないらしい。ところで「北京人」の英題が“Peking Man”はどうにかならないか。アタシはこれから北京原人か1978年のShow Brothersの香港版キングコング映画「北京人の逆襲」想像しちまふ。
鄭州西安成都で大規模な反日デモといふがデモ行進では笑顔多く平和裡なのがデモ抑圧しやうとする警察と対峙すると途端に表情が怒り凶暴になる。本当のデモの相手が誰か、よくわかる。東京でも数千人規模の反中デモあり。日中の「同時多発デモ」といふ見方も両国のヤングのやり場のない悶々を理解するうえで強ち間違つてをらぬかしら。
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