富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-12-21

十二月廿一日(月)曇。鳩山内閣支持率急落で48%と朝日新聞。驚きもせず。ふと思へば一昨年は胃潰瘍くらゐだつたが昨年はかなりひどいトラホーム、夏には書棚の整理中に梯子から倒れ目頭を裂いて縫ひ、年末にはぎつくり腰。その後遺症引きずり今年は尿の赤血球が異常に多くなり、で今度は高血圧。ほんと年をとるに従ひ身体のあちこちに不調が。これが「老い」なのだなぁ、と実感。早晩に帰宅。運動不足で今更ながら夕食前に5kmほど走る。下弦の月が見事。韮と豚肉の鍋。チリでRothschild系のMAPU、Sauv BlとChardの08年を飲む。鍋と相性見事。NHKのNW九見ながらキャスター田中某も女性の相方も、それにしても「原稿読んで」ゐてよく「噛む」よねぇ、と呆れてゐたら女性の方が「作業員」を「工作員」と読み間違へ事故のあつた工事現場がいきなり拉致問題か、といふ感じ。真剣にキャスター交替をNHKは検討しないのかしら。
▼湾仔のHopewell Centreのあたりで、よく日本人のいかにも中小企業のをつちやん社長の団体、見かけるのよね、とZ嬢。JETROや日本の地方自治体の事務所がこゝにあるから日本からのミッション多し。「あ、日本料理屋があるよ、現地人も日本食食べるんだなぁ」なんて感覚でよく中国に事業進出が出来る、と驚きつゝ「怖いもの知つてたら進出なんかできないわね」とZ嬢の指摘に頷くばかり。
▼昨日、マカオの返還十周年紀念式典に賭王•スタンレー=ホー氏が百四十日ぶりに病院を出て参加の由。厳重な往澳日程組まれマカオでは国家元首並みに警察が誘導。染めてた黒髪もすつかり白髪で、かうして見ると大伯父のSir Robert何東そつくり。マカオから戻りまた養和病院入院ださうな。で今回、車椅子に乗つたホー氏の介添は第四夫人。マカオでのカジノ経営で手腕を見せマカオ立法会議員でもある第四夫人がマカオの「現場」に強いのだらうがホー家では「前三房鬥第四房」で宮廷政変といふのが巷の噂。信報はThe Economist誌の“The King Lear syndrome”(こちら)引き病に伏しても引退しきれぬStanley Ho氏をリア王の喩へるのも然り。
▼昨日のマカオでの回帰十周年祝賀。胡錦濤国家主席の祝辞より基本法十三条に基づく国家安全条例がマカオで立法化されるに至つたことに触れた部分。
基本法二十三條立法順利完成,充分體現了澳門特別行政區政府、立法會、澳門各界人士對維護國家安全和利益的高度責任感,也為澳門長治久安提供了充實保障。只要澳門同胞繼續發揚光榮傳統,在愛國愛澳旗幟下實現最廣泛團結,就一定能夠築起澳門長期繁榮穩定的牢固政治基礎。」
これが香港への「当てつけ」に聞こえる。今日の信報が社説で上手に分析してゐるのは「一国二制度」で香港が「二制度」強調し香港は「内地の一都市ではない」として国際化、西側の価値観を重視し返還後も「不変」重視するのに対して、マカオは(民主化など企図した英国に対して)葡萄牙は「平穩暢順」を第一として中国政府に協力的だつたこと。慥かにマカオが返還からの十年でGDPは497億パタカから1700億パタカに伸び十年の経済成長の年率平均15%は世界でも有数の経済成長。一人当りのGDPもUS$39千(2008年)は亜細亜では日本に次ぐ二位。しかしこれも「中国あつて」の成長なのは誰もが知るところ。ちなみに観光業=賭場産業に依存するマカオだが、中国が全国49都市からマカオへの「個人遊」を実施(昨年、胡錦濤主席の一喝で賭博熱引き締めがあつたがその後、緩和)。
▼さう言へば、と思ひ出したが五年前のマカオ返還五周年の際にお隣のお祝ひに出向いた董建華が(当時の)江澤民主席から「査伐不足」指摘され「党中央政府からも見くびられた」と反董勢力すら驚いた、あの日からもう五年。

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