富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-12-20

十二月二十日(日)晴。昨晩遅く亦た頭痛あり鎮痛剤服して寝たが夜中三時過半頃にパツと目覚めてしまひほとんどまんじりとせぬまゝ朝。朝も頭痛あり。マカオが返還十周年で朝の昇旗儀式の中継をテレビで眺めてから掛り付けC医師の診療所訪れ口開けの患者となる。C医師に頭痛の症状(右の首筋から後頭部、頭上にと縦に割つたやうな痛み)と鎮痛剤も効かぬこと告げると高血圧ぢやないか、と血圧測れば140/110で「つひに来たか」といふ感ぢ。「下が高すぎ」でARBアンジオテンシンII受容体拮抗薬)なる薬を供され二週間の服用と自宅での血圧の定期的な測定、年末は休養と適度な運動を、とC医師。午前中出掛け仕事一つ済ませ銅鑼湾の十合百貨店。オムロンの血圧計購入。最近、香港で流行りの讃岐うどん。「香の香」なる新規開業の食肆できつねうどん食す。午後、官邸でご執務。T氏宅でのクリスマスパーティに招かれZ嬢とちよつと顔を出してから跑馬地の上海弄堂に菜肉餛飩と菜飯を食す。家庭料理といへば聞こえもいゝが「偉大なる」と評したいほどの素人商売ぶり。九時過ぎに臥床しちよつと読書して寝てしまふ。
シンガポール競馬で本日がEric Legrix騎手引退で最後の騎乗が高岡厩舎のSparkleであることは先日綴つたが見事勝つて有終の美(こちら)。祝電打つ。
▼右に掲載の新聞記事はマカオでの祝賀に訪れた香港の反体制派(所謂、民主派)議員、運動家ばかりか取材の新聞記者まで入境許さぬマカオの戒厳ぶりを報道するが、その上の「梁洛施」の大見出しは李嘉誠次男のリチャード王の内縁の妻、元女優の梁洛施(イザベラ)が桑港より極秘裏に香港に戻つてをり祖父•李嘉誠がやうやく孫と対面、を報じるスクープなり。
マカオが中国「回帰」十周年。朝九時の昇旗儀式から香港に比べると小規模で粗雑で何が起きたのか静寂の中にパトカーのサイレンが聞こえ国歌吹奏ではハナからトランペットの音が外れ、まぁご愛嬌。行政長官は何厚鏵がどうにか十年務め上げ、最大の功績はスタンレー=ホー独占であつたカジノ業の米国資本への開放か、再開発のなか運輸工務司司長(歐文龍)の巨額の収賄もあつたが中国政府は国家主席胡錦濤君)が何厚鏵十年の統治成績を賛しマカオへの一対のパンダ寄贈の由。まさか二龍喉公園に?……まさか。で胡主席はこの式典に参加の香港行政長官•文革曾に対して香港はマカオに対して「相互借鑑」をば教示。これを香港の反体制派は香港をマカオ化=23条立法も出来る政治的「安定」求めたもの、と反発してみせる。
▼北角は七姊妹道の水餃姨姨といふ餃子屋、閉業で内装取り壊しの態をバスの車窓より眺む。それなりに美味いと思つてゐたが、これを見た運転手が「あ、潰れた、高すぎだよ」と述べれば知己の客が「さうさう、高すぎ、高すぎ」と相槌。尖沙咀の北京餃子店や湾仔の北方餃子源、ミッドレベルの京香餃などに比べけして高いと思はぬが場所柄ご近所對手の餃子屋と思へば慥かに「高すぎ」だつたの鴨。

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