富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-04-04

農歴二月廿八。清明節。胃腸風邪の具合悪しく朝、掛りつけのC医師の診断請ふ。C医師は年の休みは旧正月三が日で清明節の今日も午前中は開業。年老いた患者の精算でHK$50だつたのは保険もきかぬ老婆への労りかしら。アタシも休日だといふのに終日ご公務。午後から看る予定の映画二本見逃す。晩に先月17日以来で自宅で夕飯。鮭ご飯と鳥のスープ。具合悪い時に滋養たつぷりのスープ、といふのはすつかり中国人。百年ぶりの休肝日。かなりたまつた新聞、雑誌を通し読み。
▼美貌の女優、若干19歳の梁洛施(イザベラ)を、彼女が所属する香港の芸能プロダクション大手英皇集団が契約不履行で訴訟、と今朝の蘋果日報報ず。マカオ生まれで中葡混血の彼女、不遇の幼年時代過ごしたが12歳で英皇集団と契約。将来託され13年の契約で芸能の道に。マカオで煙草密売など黒社会と関係もつ刑事と娘を描いた彭浩翔監督の映画『伊莎貝拉』は彼女が主演。で暫く前に年老いて容体悪化の祖父だかの見舞ひに赴かうとしたイザベラに対して事務所がそれを認めず、などと芸能ニュースとなつたが、実は昨年「李嘉誠の次男」リチャード李澤楷氏と相思相愛となりダクション側が「せつかくこれからの時に」と、この恋愛に介入の由。香港筆頭の億万長者の次男坊と美貌の19歳の女優の、事務所巻き込む恋愛沙汰、で面白からぬ筈もなし。翌日の続報によれば実は最初に訴訟おこしたのは彼女の方で事務所はそれへの応酬。当然、彼女の後ろ盾はリチャード氏だが更にリチャード氏が後ろについた芸能事務所がイザベラと契約期待といつた背景もあり。李嘉誠氏にとつては、香港通信大手PCCWの経営など独立独歩しつつ香港での普選支持など鬼つ子的な次男坊が、今度はこの騒ぎ。
ドキュメンタリー映画靖国』について。上映予定の映画館は実際の右翼団体の妨害でなく議員対象の試写会が判断に影響の由。矢面に立たされる自民党稲田朋美先生(記者会見)。弁護士として靖国神社参拝関連訴訟の国側の弁護人であり、大江健三郎沖縄ノート』訴へた沖縄戦裁判の原告側弁護人で「南京百人斬り競争」名誉毀損裁判も原告側弁護人。自由主義史観研究会・日本「南京」学会会員、中国の抗日記念館から不当な写真の撤廃を求める国会議員の会事務局長、日本会議国会議員懇談会事務局次長、国会議員懇談会「伝統と創造の会」会長、正しい日本を創る会会員、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会神道政治連盟国会議員懇談会のメンバー……と多くの国民の目から見れば(通常の保守派からしても)稲田先生のウルトラ鷹派ぶりは凄いが(後援会の会長が渡部昇一先生)、この稲田先生の衆院議員当選は05年の小泉郵政解散で懇意の山谷えり子先生介し当時自民党幹事長代理の安倍三世の出馬要請を受け郵政民営化反対の福井1区松宮勲への「刺客」としてのもの、と考へれば、元凶は明らか。それにしても、名古屋で上映予定映画館に上映中止求めた右翼団体の者も上映中止をブログで訴へたブロガーも実際に映画見てをらず(朝日)。この上映中止が引き金となり結果的には全国で上映増える結果となりさうだが森達也氏曰く「過冷却社会が圧力を増長」。冷却してゐながらバッシングとなるとファッショの如き世相なり。

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