富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-11-05

十一月五日(日)晴。HKDRC主催のハーフマラソン大会。今年で初出場から10回のはず。朝6時に天后MTR站より大会主催者側手配のバス出て新界大尾督へ。所属するランニングクラブのK会長のトヨタクラウンに荷物置かしてもらい同クラブから6名ほど参加。マラソンは中年向きのはずが毎年確実に5分ずつタイム延びる。暑いしタルし腰痛だいぶ回復したがやはり腰は身体の要、どうも力入らず(理屈はいくらでも並べられるが)記録的な2時間17分だかで確実にどん尻組の一人。このまま時計が延びてゆけば2年後には2時間30分の制限時間にひっかかり3年後の出場は絶望的。走り終わってもハーフで2時間17分であるから疲れるはずもなく応援に来たZ嬢とバスで大埔墟。タクシーでKadoorie農場へ。毎月第1日曜に同農場で開かれる有機野菜市で野菜たくさん購う。バスで錦田。堀と高い塀に囲まれた吉慶圍は掘割の緑も鮮やかな古跡。だが牆内に住民にとっては蚊も多かろう、蚊帳を売る店多し。ネパール人経営のコンビニ「11イレブン」もあり。印度料理のShahjahan Restaurantで昼食。KCR西鉄の錦上路站より南昌経由で香港島に戻る。疲労困憊で擦背と按摩。帰宅して早晩にZ嬢と西湾河の蛇王福にこの秋初めて蛇羹(いわゆる蛇スープ)食す。小さなお椀の臘腸飯も美味。三晩続きで香港電影資料館。寺山修司特集で今晩は舞台『身毒丸』のビデオ上映(こちら)。1978年6月24日の新宿紀伊国屋ホールの録画。一台のビデオカメラでの直撮りで編集もなし。かなり画質落ちるものを劇場での上映なので画質、音質ともかなり難あり。しかも「中英字幕なし」はかなり厳しく電影資料館での上映で七割くらいの客入りで半数近くは「降参」で途中退出も致し方あるまい。私自身、身毒丸折口信夫の物語読んだだけで天井桟敷の『身毒丸』も見てはおらぬし(70年代後半、当時、面白半分などで時たま天井桟敷の公演案内などあり「前衛」という印象ばかり)同じ舞台でもこの天井桟敷と蜷川先生演出の藤原竜也白石加代子の最近の演出(ストーリー)がどう違うのかも知れない。だがこうした抽象劇はとくに舞台を直接見ないとどうにもいけない。香港の客にとっては字幕もないから尚更。実は今晩はこの『身毒丸』ともう一本、寺山の遺作で天井桟敷最後の舞台公演となった『レミング』のビデオ上映もあり。それぞれ100分超えるビデオで2本連続上映は見る方にもかなり過酷で(しかも電影資料館の最悪の座席……)私らも今朝は五時起きを理由に『レミング』は残念ながらパスする。今晩はビデオ上映ということで入場料はわずかHK$20なのであった。十五夜の月、雲ひとつない夜空にぽっかりと浮かび、愛でながら漫ろ歩く。
風呂屋で英エコノミスト誌読んでいたら、米国民主党の次期大統領選挙候補の有力としてObama上院議員を紹介。ヒラリー=クリントン女史も形勢は不利、と。私自身はObama氏がイリノイ州上院議員選挙立候補の頃から支持しているので将来の米国大統領と願ったがまさかブッシュ後でいきなり、とは思ってもおらず。競馬でいえば新馬の競りとまでは言わぬが新馬戦に出てきた三番人気あたりのサラブレッドを「これは将来のG1候補」と予感したような気分。大統領に当選でもしたら上院議員選挙キャンペーンの際のTシャツなどレア物で所有しているのでかなり価値があがろう。当時、Obamaというポスターを或る日本人に「小浜?」と読まれたのも可笑し。

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