富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-08-28

八月廿八日(月)久が原のT君より祇園祭のみやげに伯牙山の厄除粽送られる。中井英夫に絡み彷書月刊のコピーも拝受。築地のH君より週刊朝日百科『人間国宝』のうち歌舞伎で先代(三世)左団次、紀尾井町(先々代松緑)、大橘(故・羽左衛門)に音羽屋(当代菊五郎)の巻と長唄三味線の巻送られる。諸事忙殺され晩に至り茶餐廳のぶっかけ飯で夕食済ませメールだけで数十本は片づけねばと三更に到る。メールで、というかノートブック上で全て片づくだけ世の中便利になったもの。メールはある、スカイプはあり電話がわり、リモートでサーバー開いておけば関係者でデータ共有出来、と。ところでそういう日進月歩の便利な世の中ではすでに、あの独占企業体マイクロソフト社ですら中年クライシス期に突入、と信報の記事にあり。マイクロソフト社がヰンドウズ94から2000を売り捌いた頃だろうか、電脳業界は「ハードを売るメーカーの時代は終わった」とソフト売るマ社が脚光浴びたのも束の間、すでに市場価値2600億米ドルの巨象・マイクロソフト社はGoogleなど情報メディア媒体をば市場とする先端企業に比べ「ハード化したソフト」売る企業として旧守派に位置するのだそうな。マ社に追いつけ追い越せの身軽な他企業との競合で年間66億ドル費やした研究開発部門も縮小し経費削減と利潤確保に懸命の由。世界的跨際企業といえば星巴珈琲とて今年第二・四半期の売上げ減で星巴側はこの夏の猛暑で夏の主力商品たるFrappuccinoの売上げ増見込んだが、このフラッペ、作るのに他の珈琲商品に比べ多少時間要するそうで、酷暑ゆゑ顧客がその「待ち時間」に耐えかねFrappuccino(あ、フラッペとカプチーノの合成語か、いつもエスプレッソしか飲まぬので気づかず)から客足遠のき売上げ減、と。確かにそういう理由も一利あろう、が、天気次第で今年の夏のキャベツの作柄が……という農作物ぢゃないのだから星巴ほどの巨大化した企業が夏の暑さ云々で売上げが左右されていては今後の事業展開に難題を課すだろうに。グローバリズム社会、企業も成功の果てに利潤謳歌もほんの束の間の歳月にすぎず甚だ商売難しい時代となる。晩に諸事片づけながら聞いていたRTHKの第4台のMonday Concertにラフマニノフ交響曲2番が流れる。曲の紹介がアシュエナージの指揮でロイヤルコンセルトへボウ管弦楽団演奏、とあり、それはいいが1955年とは。さすがに17、8歳のアシュケナージはまだコンセルトヘボウの指揮はしていない? 録音の音質がかなり悪しく古い演奏だと思うが何か、が間違いなのか、本当にそんな指揮があったのか、余にそれほどの知識もなく不明。まだ17、8歳のアシュケナージ君がピアノで、メンゲルベルクハイティンクの指揮でラフマニノフのピアノ協奏曲の2番というのなら(それが実存するかどうかは別として)まだわかるのだが。続いてバーンスタインが1942年に維納フィルを指揮して?のシューマン交響曲2番が流れる。バーンスタインがブルーノ=ワルターの代役で紐育フィル指揮してワーグナーマイスタージンガーがセンセーショナルに好評博し全米に名前が知れ渡ったのが1943年、その前年、弱冠24歳でウィーンフィルを指揮した?、本当だろか。ここまで細かいクラシック音楽の知識もないのでわからぬが不思議な演奏を2つも聴く。
▼福岡で福岡市職員の飲酒運転で幼児三人が命落とした事故……というより「これは犯罪です!」とニュースだのバラエティのコメンテーターの憤り。この酒酔運転者の責任は個人として当然だとしても、何故に福岡市に対して九百件だかの抗議が電話で殺到し市長が詫びる必要があるのか。犯罪者で「寿司職人」と職業出すと寿司職人に不快感煽る嫌だが、市長がおわびをして、福岡市の職員が幼児の冥福祈り市役所で正午に黙祷するのも不思議。この全体主義の怖さ。
New York Times北京支局の助手・趙岩氏の裁判。これについて事件の当事者たる紐育時報紙が27日の社説でOf Shame and Faceと題した社説載せる。
Mr. Zhao was arrested after this newspaper correctly reported that former President Jiang Zemin was ready to give up his final post as military chief. The article infuriated China’s political leadership, and Mr. Zhao was arrested, despite The Times’s insistence that he never provided any state secrets to the paper.
と強調。趙氏拘束で人権問題とか報道の自由といった点が指摘されるが、具体的に「江沢民がすでに党中央軍事委員会主席辞任を決定」という事実報道がどう考えても国家機密とはいえない、という指摘。確かに。
重慶四川省での記録的な猛暑と旱魃。一帯の殆どの河川、湖水干上がる。それに追い討ちかける大問題が乾燥により全体の三分の一だかのダムに入った多くの亀裂。いったん大雨ありダムの水嵩高まればダム決壊の危機との由。

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