富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月九日(水)晴。晩にハッピーバレーにて競馬。知人らと一席設けるが一晩飲食続けての競馬に倦怠感ありレース前に軽く食しビール一罐口にしただけで断食モードにて過ごす。今季九十九勝と香港競馬史上初の季間百勝に大手掛かった騎手ホワイト君、1Rのマイル競争に12枠よりハ競馬場でのマイル5戦未入賞の「過江龍」に騎乗しまさかの勝利であっさり百勝目。このまさかでカンペキに調子狂ふ。今晩は最初からホワイト君に祝儀で賭けるべきだった、と後悔も遅し。2Rもこれは「高明王」堅いと信じたら今季未勝の「原班人」(名馬原居民と同馬主なり)が千米競争で亦た十二枠よりの出走で四十数倍で一着。もうワケわからず。R4の千八百米にて廿数倍の「多橋」を調教の時計から判断して的中させたのが唯一の成果、溜飲下げるがR6ではホワイト君がマカオのカジノ王スタンレイ・ホゥ君の「走石」に騎乗し一着となったのを外し「走石」のハ競馬場の千米での安定ぶりを理解しておらぬ我に呆れR7の「流梳王」勝たぬわけなき二千二百米にてこの馬より流しきれぬ我。最終Rのマイルには丁度一週間前に一番人気でこの馬より総流しで百五十倍近い配当得たDanrivaが出走。今晩は十数倍と香港の競馬好きは冷静なのか冷たいのか余は先週の祝儀もありこのDanriva馬に託し連複の総流しせば惜しくも三着でふとオッズ見れば先週ほどの波乱期待できぬわけで何故QPワイドでの総流しにせぬかと地団駄も時は遅し。配当見れば同じDanrivaでQPで流しておれば結果論だが一二着馬の連複より高配当。帰宅して三更に荷風先生日剰昭和十五年を読了。
▼七日に綴った灣仔の四川麺家「Q麦」が閉店という話。営業続ける四川菜の私家菜がLockhart Rdの四姐川菜ではないか?と思ったが教えてくれた蒼茫一号さんより、その通り、と。競馬は当たらぬがこういうのは当たる(笑)。あの担々麺だの雨線が今後も食せることは有難いこと。
北京大学清華大学が香港での特待生選考で学生への誓約書に「香港基本法一国二制度の遵守」の項目あり。明らかに基本法と「一国」二制度での政治的意図あり。これが一党独裁国家ゆへの二大学府の姿。
▼米国にて開催の(……それぢたいイラクへの侵略国家で開催することぢたい馬鹿げた話だが)先進国首脳会議(ロシア含めてG8)に昨年は招聘されし胡錦涛君が今年呼ばれず中国国内にて不愉快感あり、だそうな。中国は大国ゆへ呼ばれて当然、さすがにまだ先進国といふにはいかぬがいつの日にかは経済大国となりG9での加入が最終目標か。一党独裁国家ぢゃいくら経済力がついても先進国ぢゃあるまひに。
親中派全人代香港代表らのキチガイの如き暴言ぶり。例えば譚惠珠オバサンの「新聞を見ても今のところ普通選挙実施しなかったことで焼炭(一酸化炭素中毒での自殺)した人はいないけど経済不況に絶望して自殺する人はいる」と普通選挙実施など政治的改革よりも景気回復優先とコメント。あまりの暴論。同じ全人代代表の曽憲梓(ネクタイ大王)の言論の自由すら制限されても致し方ないといった発言に対して保守派の財界人・胡應湘ですら曽憲梓は香港政府を代表してるわけではない、香港の言論の自由は保障されている、とコメントするほど。明らかに譚オバサンやネクタイ曽の発言は文革での左派の如し。香港の良心・陳方安生女史が米タイムス誌の今週号にて香港は独立など想定してもおらず単に基本法で保障された自治が行われることが香港の発展と述べるが、そこで香港の言論弾圧はかつての文革を想像させるもの、と述べてこれが中国政府の逆鱗に触れる。

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