十月二十六日(土)快晴。競馬日和。朝より慌てて予想。香港は珍しく週末のHappy Valley、C氏の新馬Dashing Champion、R1(1200m)に初陣。本日はC Courseにて1枠のこのDCに期待。競馬日和は香港のみに非ずRacing World SeriesではメルボルンはCox PlateありKersleyのNortherlyかDettori騎乗のGrandera。Arlington競馬場ではBreeders' Cup開催でClassicはWar Emblem(Espinpza)かHark Wing(Kinane)でしょうか。Breeders' TurfはGolan(Fallon)に期待。北京にて購う「行雲游水」の掛け軸、居間に掛ける。晝より競馬。競馬場に滑り込みR1にてDashing Champion、これはいくぞといふ予感。李格力君苦手な出走を上手くこなし飛出そうとする馬を手綱捌きもよく三着につけ第四コーナーでちょっと外に出 たがどうにか持ち直しThe Achieverを抑え一着。初戦にての殊勲喜ぶが二着に入ったThe Achieverの騎手Quinn君最後の直線での進路妨害をネタに抗議し抗議成立してしまひDashing Champion二着に甘んじる。が、充分にその実力見せたり。しかし騎手は李格力君にてよいかどうかは疑問。途中、豪州のCox Plateの中継録画の放映ありNortherly素晴らしいレース展開。DettoriのGranderaもやっぱりあの位置から三着にちゃんと来るの はさすが。予想的中、やったね、次はBreedres' Cupだ。モニタにてこのレース見ていたら、隣りでやたら豪州のレース事情に詳しくいろいろ話している夫人おり顔見たらSize夫人(笑)、そりゃ詳しい はず。本日の冠レースR8保良局百周年記念盃(二班1800m)一着はDanriva、ちょっと躊躇したがやはりG1がAllan厩舎ならその次の冠レー スはSize厩舎しか想像できずDanrivaとして、レースよりもパドック後方の柱に凭り白けた表情にてレース眺めるSize師、顔を高潮させ Danrivaの出来に亢奮する女将の姿ばかり眺めていたが、この馬でここまで勝ってしまうのだから敬服。競馬場よりCitysuperに寄ればハロウィ ン商戦凄まじくハロウィンがいったい何の祝祭かも知らぬ衆お化け祭と勘違い。そもそもケルト人のこの冬を迎えんとする直前の節句、基督教に取込まれ、節操 なき彼の国にて「洗浄され」今日のお化け祭とされた次第、それを無節操に享受するアジアの衆に罪もなきことか。いずれにせよ競馬場より五分歩いただけで汗 ばむこの風土にあり余には係わりなき事。このハロウィン、子供が奇っ怪なる仮装をし家々をわまり菓子の類をもらったりするそうながら、世界には様々な宗教 あることも知らぬ者にかぎって大騒ぎし異教徒にこれを押し売りするもので、その勝手なる様に怒りし異教徒に無邪気な子供が制裁に遇うようなことなきこと を!。本来ならば大人が子供に世界にはいろいろ異なる文化を抱く衆いることを教えるべきことながら大人とてディズニーとマクドにて育ちたる世代にては基本 的に無邪気にて道理も判らず。それでは子も不憫。かりに拙宅に仮装せし子訪れれば可愛相ながら「ハロウィンって何?」と尋ねてあげることが教育か。子ども にはそれは厳しすぎるかな。Chateau Los Boldos'01の白葡萄酒にてZ嬢のミートパイ。NHKの『抱きしめたい』なる芸術祭参加ドラマ視 る。和久井映美、西島英俊の好演あってもやはり余の世代には石田あゆみであり七曲署での刑事定年退職した竜雷太。明日の天皇賞、今季はやはりサンデーサイ レンス追悼しサンデーサイレンス産駒といいたいところだがアグレスフライト、トラストファイヤー、エアシャガール、アグネススペシャル、サンライズペガサ ス、ロサードと六頭参戦(汗)、ただこのなかで撰べと言われれば武豊でエアシャガール(森秀行調教師)本 命で、サンライズペガサスを押えか。
▼橋本治ちゃんは本来「やっぱりこの人、ヘンよね」という立場にあるべき人なり。東大生のくせにポップ、素 人のくせにイラストレーター、イラストレーターのくせに小説家、若者文化の桃尻小説家のくせに文芸評論家、評論家のくせにセーター編み、でやっぱりホモよ ね、この人……とつねに胡散臭い、でも本職よか核心を突いてしまふ、そういう存在であることが「橋本治とはなにものであるのか」の本質なのだけど、その治 ちゃんがあんまりみんなが誤解してるから「もー、わかっちゃいないんだから」って書いた『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で第一回小林秀雄賞を とってしまった。確かに小林秀雄に値するだけの評論家なんて橋本治くらいしか平成の世に「残存していない」のは確かかもしれないけれど橋本治は前述したよ うに、いい意味せ「所詮」○○のくせに△△を演じてるから橋本治なわけで(……と橋本治文体になっているけど)そういう意味では小林秀雄っていう戦後の評 論を背負っちゃった人の名前を冠にした賞を授けられては、つまり「かぶいて」いることが旨味だった橋本治が評論の大家になってしまって、そしたらもう違う んじゃないの?って思えてならない。実際に本人も受賞会見で小林秀雄がなにものだったのかに興味はないが小林秀雄を必要とした日本人とはなにものだったの かには興味がある、と「ぽろっと話した」らその場で出版社が飛びついて次はそのテーマで書くことになって早速『小林秀雄全集』が送られてきた、って逸話。 もう大御所。本人も「口からでまかせいうたびに本一冊書かされるはめに陥る。『なにものだったのかシリーズ』を続けなきゃいけない」とまんざらでもないみ たい。つまんない。やっぱりホモビデオ数十本だか自宅に籠って見続けて誰も書かないホモビデオ評論とかやってみせていた橋本治が面白かった。お笑いの芸人 が森繁さんみたいになったらもうオシマイなんだから、といっていたビートたけしが同じ轍を踏んだが如し。どうせなら『「橋本治」とはなにものだったのか』 を書けば?と思っていた矢先、Z嬢が朝日の小さなコラム見て笑っているので何かと思えば亀和田武が金井美恵子のエッセイ取上げ『一冊の本』にて島田雅彦、 西尾幹二、田中康夫に続き橋本治が金井美恵子に「容赦なくコケにされ」たことを書いていた。橋本治ちゃんが『婦人公論』(い かにも永六輔に続く男のオバサンが連載書きそうな雑誌だけど)の連載で東京駅のパン万引き男が追いかけた店長刺殺した事件取上げ「五百円ば かりのことで人が殺せるのかと驚く」「どうしてこの程度の人間が<社会人>として生きて来られたのかを考えて、それを放置してきた日本社会の愚かしさ」に まで言及。それに対して金井は「五百円くらいのパンだかおにぎりを万引きされたくらいで何百メートルも万引き犯を追いかける店長というのがいるということ に「変わっているよ」と驚いた」と感想を述べ、橋本といふ「憂国の文化人となった往年のポップスター」(亀和田)に 対して金井が辛辣に「桃尻娘がなんで村上龍にヘンシンするのだ?」と。御意(笑)。本来、橋本治といふ人 じたいが「どうしてこんな人が」という色眼鏡で見られるようなキャラであり「なんでそんなことにそんなに情熱をもって文章が書けるの?」と思われて当然、 そしてその橋本治という存在「それ放置してきた日本社会の面白さ」が語られるべき人。その人が憂国人士となってしまっては確かにつまらない話。