富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月二十二日(日)雨。生憎の天気沙田競馬場、国際G1の女皇盃は独逸から参戦せしSilvanoがWohler騎乗にて国際rating116ながら同123の仏馬 Jim and Tonicを破り一頭、女皇盃そもそも1975年に開催され始めしQueen Elizabeth II Cup にて97年以降もその名称残りしが高度なる政治的判断かどうか知らぬが99年にPiguetが協賛となりし折に名称は The Audemars Piguet QE II Cup と変わり、畏くも女王陛下におかれては簡略の名称が正規となるは陛下の名称残したくも北京を窺い苦慮の末のか、ただ漢字名は女皇盃と当初からエリザベスの名は没くこれなら楊貴妃西太后かわからず(そんなことあるまいが)そのまま今日に至る。本日はここ暫くの運も尽き入場より遅れ精神はレースを後追いとなり冷静な判断もできぬまま、新馬ではClassic Master、R2のClass-4ではBank On It、R9の君子とこれまで応援してきた馬を悉く外し、R7の原居民の三着を的確に当てた程度の成果。それにしてもR7の主席短途獎を七分の力の出しようにて楽勝せしFairy King Prawn 蝦(南アより参戦せしMarwin騎乗)には脱帽、直線で軽くダッシュで四馬身差。YT鄭は二勝して見習卒業まであと一勝と迫る。月本氏ら日本からの競馬関係諸氏と尖沙咀福臨門海鮮酒家、それにしても箸袋に「一流粤菜」と署すは疑問、他の一流の店は一流などと自らを称えぬものなり。余談ながらもともと接客には得意客を除き温もり乏しきは陸羽か福臨門かと馳名なれど極めて冷徹、慇懃無礼な接客続き不思議と思えば我らの先の個室にその筋と思しき一見して興業関係の方々、客人はどうやら歌手L先生(本人不在にて)の好朋友T先生にてさういへばL先生の独演会先週成功しその慰労で本人欠席かと勝手に察するが、この個室に給仕たちの全神経が集中、一つ間違えばオトシマエ云々の空気立ち込め、それ故に我ら一見の客など視野になし、その筋の方々お帰りの後は給仕たちの表情に安堵、少なからず接客に余裕と温もりが高まりたり。福臨門らしき光景なり。月本氏とは競馬以外に話を聴きたき事様々あれど物語り尽くせず残念。荷風日記、大正九年荷風齢四十余、風邪にて40度の熱は確かに高熱、しかも病弱、しかし遺書を認めるか普通?、その数日後には麻布に普請する家屋のことにて大工頭と打合せとは遺書を認める者のすることか(笑)、かなり旺盛な生命力、そして現に昭和34年まで生き延びてしまふとは。