富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月二十三日(月)曇。香港中文大学が愚かにもこのご時世にホテル学科創設し(創設などという言葉は勿体なく学科増産)構内に26階建て600室のホテルを企業と合弁にて経営、学生の実習に用いる、と。少なくとも香港が80年代後半の一流ホテル建造が始まる前、少なくても80年代初頭までに学科があれば良質な人材を放ち香港の国際観光都市としての役にもたとうがバブルは崩壊しホテルは軒並み飽和、営業成績も伸びずのご時世、PolytechUにはすでに同学科もあり、いい人材はスイスのホテル学校に留学する環境にあって、しかも沙田の田舎に誰がホテル学に勤しみ誰が野暮なホテルに泊まるか、阿呆めが。自民党総裁選は挙党ムードで地方選挙は地崩れ的に小泉純一郎君が連戦先勝と朝日新聞はどうせ自民党内閣が続くならせめて小泉君がマシかとかなり作為的に小泉君有利の報道を流し、それが功を奏したのか、小泉君といえば何度か木挽町にてご尊顔に拝し、客席に坐らせておくよか、め組の喧嘩で辰五郎、文七元結にて長兵衛、お祭り佐七でもさせたいニンあり、鮨やでいがみの権太でもやれば亡くなった延若の権太を彷彿させように、というわけで自民党の野暮な代議士の中では余もかなり贔屓でこそあれ、所詮質の悪き芝居小屋から出ようとせず小屋の一枚看板に収まろうとはとどの詰ま沢瀉屋や勘九郎ほどの器量もなしと云われても仕方あるまひ。李登輝君の来日(帰省か……)自らの赴日を「日本(の外交)がこれから人権や人道問題、自由とか民主とかを主体にしていくうえで、これ(ビザ発給)はひとつのチャンスです」と機内で語ったと朝日新聞、全体の文脈は判らぬが(の外交)の部分は朝日のまた小生意気な記者の挿入であって(の外交)が必要なのかどうか、いずれにせよ(の外交)を抜いて李君の言葉を咀嚼すれば外交にかぎらぬかつての祖国への叱咤か、小林よしのり等の輩が聴けば泣いて慶びそうだが、これで帰省が既成事実とならば次回の来日は容易、岩波書店の招聘でいかがか、京大時代からの岩波の愛読者、台湾で唯一?の『世界』の定期購読者である、岩波書店が唯一国策外交自民党に協調する快挙!。李君の「ビザ、やっとこさ」の表現、さすがである、台湾日本語の真骨頂「やっとこさ」sounds goooood!、「やっと」じゃなくて「やっとこさ」がいいっ、最近なかなか聞かないフレーズ、「やっと」より「どれだけ馬鹿馬鹿しい政治的判断があって弱腰日本政府がようやく」という感じがこの「やっとこさ」に含蓄ありゃせぬか。それにしても李君が蒋経国の総統を襲いし折誰が李君がここまで老練なる政治家筋と誰が計ったか、政治史の面白さ。昨日のQE IIにて優勝せしFairy King Prawn 蝦の安田記念凱旋参戦、口蹄病を理由に日本が受け入れぬ件、ドバイでの蝦と日本馬との共参ありしもの日本馬は日本に戻れ何故に蝦は赴日できぬかと、昨日の開催後のプレス発表でもジョッキークラブ馬會が言及、馬會は香港政府に対して本件を日本政府に働きかけるよう要請、馬會も総領事館に打診、南華早報は一面にて報道、かなり外交問題化する徴し、日本政府はJRAの問題と逃げJRAは政府厚生省の検疫の問題と逃げまさに日本的釈明、誰が納得しようか、蝦も結局「やっとこさ」安田記念に参戦し、まさにこれも「日本が主体的にしていくうえで蝦はひとつのチャンスです」か、実は銭湯やセックス産業での「外国人お断り」となんら変わらぬこの風土性。