癸辰年十一月初五。5.1/16.1度。晴。今になつて先週金曜日の武田砂鉄プレ金ナイトの配信を聞く。ゲストは原武史先生で二人はいずれも狭山ヶ丘幼稚園の出身。宮脇俊三、リニア新幹線、団地、そして「昭和天皇拝謁記」の話。お二人の指摘の通り宮脇俊三『時刻表2万キロ』は衝撃的であつた(昭和53年)。「鉄道」といふ、それまでも鉄道にまつはる文章といふのはあつたのだけど鉄道に乗ることを紀行文学にまでした宮脇先生の業績。確かに。アタシは中学生のときにこれを読んで、その旅情にも酔つたが、それよりも「編集者でもこんな物語を書けるのか」といふことが新鮮だつた。編集者がこんな名文を書いてゐたら作家もタヂ/\だらう。その数年あとに村松友視『私、プロレスの味方です』が評判となる。いずれも中央公論社。編集者が作家にもまして文才どころかフォトジェニックですらあること。その後、赤瀬川原平だとか山下洋輔だとか作家以外に見事な筆致なのだつた。「昭和天皇拝謁記」は戦後、初代宮内庁長官だつた田島道治の著述で、昭和天皇が旧軍は否定しても再軍備に賛成だつたのはとにかくソ連の脅威であつて天皇の反共感そのもの。怯え。これについてラヂオとはいへ内容について言及できるのもTBSであつて、この番組だから、なのだらう。ご興味ある方はこちらに番組からの配信あり。武田砂鉄×原武史【プレ金ナイト】_YouTube