癸卯年五月廿九日。気温摂氏24.2/37.4度。快晴猛暑。秋田など観測史上最大の豪雨（250mm）。秋田で住宅街が浸水の映像見たが秋田市のハザードマップ（こちら）見ると秋田市街の大部分が浸水想定地域であつたとは。
常磐線沿線には友部のJT（タバコ）、岩間のカゴメ（トマト）、取手に日清カップヌードルとキリンのビール工場と点在するのはかつて製品が常磐線の貨物列車で首都圏に運ばれたから。そのなかでもキリンの取手工場は見学もできて主力製品（一番搾り）の試飲もできるさうだから一度訪問したいと思つてゐたが取手駅からも距離があり自動車で出かけたら飲めない。
水戸からの10数名のマイクロバス仕立てたツアーあり末席を汚す。常磐高速は筑波を過ぎるとつくばエクスプレス線を跨ぎ三郷のほうに向かふので谷田原インターを下ると関東鉄道常総線に沿つて人口増加激しい守谷市を抜け取手に向かふ。
かつての銅製の蒸留釜。奥には現在のアルミ製の蒸留釜が並ぶ。発酵させる前の麦芽汁が予想以上に美味い。１番目の絞り汁だけ、と熱湯を加へて絞り直した２番目のものを含んだもの。甘みがずいぶんと違ふが後者がけして不味いわけではない。前者のみでビール醸造はさまざまな困難あるなか完成したのがキリン一番搾りなのださう。
さてお待ちかねのキリン一番搾りの試飲。中学生のときにニッカ余市工場でシングルモルトのお零れ授かつて以来、ニッカ宮城峡（奥新川）や日本酒の試飲は何度かしたがビールは初めて。プロの注ぐキリン一番搾り。グラスもビールを最も美味しく飲むために設計されてゐて広口で胴は細身でグラス底は丸く。これは現在工場ショップでも在庫なし。これ一杯でお終ひかと思つたら一番搾り、プレミアムと黒の比べ飲みもあり。量もたっぷりだつたが同行の方であまり飲まない若い方の分まで卑しくも頂戴してすつかり昼の美味いビールにほろ酔ひ。プロの注ぎ手のお兄さんがこちら試飲の最中にフロアに出てこられてアタシがかなり好き者と思はれたやうでいろ／＼オフレコで話を聞かせてくれた。
麒麟麦酒取手工場見学コース玄関にあつた麒麟の像（昭和53年）。牛久大仏は熱中症が心配だが各地の昭和バブルの巨大仏像や観音が構造劣化だとかで倒れたり解体されるなかで牛久大仏はかなり立派な構造でまだ大丈夫なのだとか。それにしても何故こゝに？である。浄土真宗で親鸞聖人が常陸、下総を関東での布教の拠点としたのを記念して建立ださうで昭和60年のまさにバブル黎明期に建造始まり10年後の平成4年に完成なのだとか。地元のバブリーな社長の発案か、と思つたら真宗の東本願寺直々の事業とは。
地域にある工場の向かふに大仏を拝む。牛久の入管の収容所からも大仏が拝めるのださう。入管に収容された仏教徒は毎日この大仏を拝むのかしら。取手のキリンビール工場まで来たのだから、と三井系の阿見プレミアムアウトレットまで足を伸ばす。まるでアメリカの西海岸をイメージした明るさだが牛久大仏のインパクト強すぎ。猛暑。同行だつたＴ君は日本国籍だけど米国生まれ育ちの加州の大学生。彼を誘つて一緒に寿司や（かね㐂といふ）で遅めのお昼にするところ15組くらゐ待ち。それでもみんなアウトレットで買ひ物しつゝの待ちなので猛暑のなかアタシは店内で待てるからＴ君にはぶら／＼してゐてもらふ。アタシはアウトレットの購買で何も食指動かず涼しいところで本でも読んでゐた方が良い。それでもＴ君にとつては、このアウトレットのかなりが米国ブランド（中国製造）で彼にとつては目新しくもない上に価格が（円安とはいへ）加州の２倍近くださう。寿司（かね㐂）は元々回転寿司だが風評被害で寿司は廻つてをらず一皿ずつ握つてくれて値段も良心的で美味いものだつた。もう来る機会もないであらうアウトレットなのでグンゼの出店で外行きの白のTシャツ一枚だけ購入。
阿見のアウトレットでは購買意欲沸かなかつたたが麒麟麦酒の取手工場ではつい／＼結構な買ひ物をしてゐた。
