富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

热烈庆祝香港回归祖国26周年!

癸卯年五月十六日。気温摂氏21.5/30.3度。晴。

7月1日の大公報(左)の祝賀広告と翌2日の同紙祝賀記事

香港の祖国回帰26周年の祝福。回帰記念日の一昨日に党紙〈大公報〉の1面に祝賀広告を出したのは中共系の赤い企業ではなくFWD、HKTとPCCWはいずれも李嘉誠財閥で次男リチャード李澤楷の所有企業。2019年の香港騒乱のとき香港政府による強行的な平定策に当初、一定の距離をとつてゐた李嘉誠だと思ふと今回この祝賀広告も感慨深いものあり。翌2日の同紙は1面トップで前日の香港競馬の祝賀盃盛況を大きく取り上げる。香港で今日も「馬照跑,舞照跳!」(鄧小平)で競馬もキャバレーも何事もなく賑はつてゐるのだから一国両制は正常に機能してゐるのである。

さうした香港の安定に日本のマスコミは懐疑的な偏向報道である。

香港トップ「警戒引き上げる」中国へ返還26年、デモは姿消す:朝日新聞(20230702)

中国による統制強化を嫌う香港人は国安法の施行後、大挙して欧米や台湾に移住している。香港の人口は19年の約752万人から19万人近く減少した。
人口流出は企業の経済活動にも影響をもたらしている。香港の経済団体「香港総商会」が今年4月に実施した調査では、会員企業の74%が人材難を訴えた。同会が複数回答で理由を尋ねたところ、うち7割が「移民」を挙げている。
香港政府は昨年12月にこうした人材難の解消をめざし、世界の有名100大学の卒業者などを対象に、ビザ手続きを緩和する制度を始めた。

「香港の真相伝えるために」廃刊した蘋果日報元記者たちが挑む壁:朝日新聞

蘋果日報に所属してゐた或る記者は今では台湾で香港に向け自由な報道に果敢に挑戦してゐるのださう。香港では当然もはや香港社会の安定を乱す反政府的な報道は厳しく規制されてゐる。

アタシ自身も2021年まで香港記者協会に登録してゐたが、その後会籍を維持してゐない、この記事でいへば300余名の脱会者の一人になつてしまつた。香港を離れて香港のことを何も伝へもしてゐないのだから。

香港のマスコミ報道の「安定化」のためには香港記者協会であるとか香港外国人記者倶楽部にじわ/\と圧力をかけ弱体化させる手段もあれば逆にさうした記者組織に中共系マスコミの記者を送り込み多数派工作といふ手段もありさうだが、さうした動きは見受けられない。中共の手足である御用マスコミの記者をさうした自由言論空間に遣ることは、それはそれでリスクがあるのだらう。

今日の荻上チキのラヂオ番組(Session)に倉田徹先生(立教大学)が出演して「香港の自由」について話されてゐた。

7/3(月)特集「国家安全維持法の施行から3年~香港の社会はどのように変化したのか?」

反政府的な言論、デモなどが一切許されずきちんと規制されてゐる点では「香港の社会はどのように変化したのか」ではなく国安法下で「安定の不変」が継続してゐるのである。この状況は「中共と同じ」。唯一の違ひといへば身柄拘束され逮捕、収監でも少なくとも受刑者がどの刑務所で何ういふ状況に置かれてゐるかが明確な「法治社会である」といふことかしら。