水戸の最低気温摂氏21.4度。世の中は夏休みモード。半ば退休で年ぢゅうお休みモードのアタシには関係ないが東京駅の朝からの混雑は驚くばかり。昼前に西新宿角筈で散髪(短髪にありがちなメンテナンスカットといふやつ)。昼にK君と鮨「いしかわ」で昼酒。夏らしく新子に初入荷ださう新イカ。東京でも最高気温は摂氏28.8度で風も爽やかで過ごしやすい。ふらふらしてゐたら神楽坂の〈歯車〉が開いてゐる時間なので寄つてみる。K君もこれで追分のPも麻布のHも連れていつてあげてゐたので南青山のバーラジオから派生した東京を代表するやうなバー三軒を訪れたことになる……といつても歯車はアタシも数回しか訪れてをらずバーラジオに行つたことがない。一杯だけさっと飲んで神楽坂から飯田橋、九段下から神保町を経て神田淡路町。神保町では読みたい本はいくらでもあるが検索すれば公立図書館の蔵書にあるので「入手したいではない」と自分に言ひ聞かせる。まつやで「お酒」と頼むとわざわざ「特撰のキクマサです」と出されるのが嬉しい。家で飲んでゐるいつものキクマサは上撰なので特撰といはれるととても贅沢した気分。お蕎麦は桜海老入り辛みおろし。神田まで歩く。
▼朝の電車のなかで岩波書店の『図書』七月号を読んでゐたら三橋順子さんが日本とアジアのセクシュアリティについて書かれてゐて(題は「いろいろつながる話」)面白く読む。具体的には殊に同性愛を禁忌とするイスラム世界でまだ男らしくない少年や女装した男性への性愛が許容されるやうなブレについて。男性が求めるのは(女性が女性性を発現することが抑圧される社会では)さうした規制の外にある女装者に女性性の担い手をさせることではないかと。