富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

サンダーバード55

陰暦十二月十五日。気温摂氏▲1.5/11.4度。これから真冬なのだらうが春節も近くなり昼間はどこか春めいた気候。午後から家人と筑波へ。6号国道でのんびり1時間半ほど。

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世代的にサンダーバード(TB)である私。TBごつこをすると1号(スコット)と2号(ジョン)のお役の取り合ひとなるがアタシはレディペネロープのペネロープ号(FAB 1)が好きで男子だけの「ごつこ」なのでレディペネロープも、さしづめ女形だが、それを演ることになる。あれは銀座で三越だつたのか玩具売り場でペネロープ号の精巧なミニカーがあつて当時で2千円くらゐしたはずだが買つてもらつてゐる。
当時、この秘密基地の島のプラモデルを買つてしまつた。6、7歳の子どもには到底作ることのできない複雑で精巧なプラモデルで島の大きさも直径が30cmくらゐ。値段も2千円以上だつただらう。普通に考へたら、こんなものを子どもが衝動買ひできるはずないのだが当時の商店街には「ツケ」といふキャッシュレス取引きがあつて(だから昔は昔なりに超便利なのだつた)商店街でお互ひが買ひ物するときは「ツケといて」で済んでしまふ。さすがに勝手にこれをツケで買つてきてしまつて父親にひどく叱られ、そのまゝプラモデルは玩具店(かなざわさん)に返納されることにならう。それが翌朝起きたら茶の間にサンダーバードの秘密基地が完成してゐて起きてきた父親は目を真っ赤にした眠そう。かういふものを見ると作りたくなるのはいくつになつてもかはりない。
TBのドラマが再放送になるたびに見てゐたが今回といつても2015年から制作が続けられてきた50周年記念の「新作」が古呂奈もあり日本では吹き替へ版が55周年で今回の上映に。また水戸の映画館には掛からず筑波まで見に来た次第。世代と時代を越えてウケるスーパーマリオネットだと思ふのだが平日夕方とはいへ観客はアタシをいれてわずか3人。この「新作」は1960年代に発売された「音声ドラマ」のレコード盤が元。当時のオリジナルのテレビシリーズと全く同じ声優出演で人形劇の映像を改めて制作の努力。レディペネロープがTBの秘密基地訪れ国際救助隊のメンバーとなる「TB登場」と「雪男の恐怖」それに「大豪邸、襲撃」の3本がこの新作映画になつてゐるが原作が音声ドラマで、それに忠実であるためにテレビドラマでの物語の展開の面白さに比べるとイマイチかもしれない。ハイテク技術使はず当時と同じ精巧なスーパーマリオネーションは大したものだが、あれは当時、小さな画面の解析度の悪いテレビで見てゐたからリアル感まで如実にあつたものだが今それをデジタル映像で巨大なスクリーンで見ると細かい粗ばかり目立ちテレビでは目立たなかつた操り糸が何十本も気になつて仕方がない。サンダーバードはやはり当時のテレビドラマが似合ふか。今回の映画での3話でレディペネロープの執事たるパーカー先生のキャラが実によく描かれてゐた。生まれも育ちも倫敦で強いコックニー訛りの彼は元金庫破りの悪党で更生しての執事だが性格や煩悩、欲まで彼ほどキャラの立つた登場人物は他にゐない。

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アタシが映画見てゐる間、映画館のある消費場所(イーアスつくば)で買ひ物してゐた家人と待ち合はせ夕食を食べて帰ることになつたが消費場所にも「とんQ」や大戸屋などあつて、とんQなら水戸にも支店もあるが何うせ食べるなら筑波なので本店に行くことにする。30年前に水戸の人も筑波に行くと「とんかつを食べてきた」と耳にするやうになり評判のとんかつ屋はとても繁盛。それが「とんQ」。今では茨城県内には他にもう1店で計4店舗、千葉や埼玉にも支店あり。ジューシーだが脂っぽくなくてあっさりとすら感じるトンカツが好評か。夜もファミレスのやうに気軽に地元の客多し。
水戸に戻る常磐道で途中突然、速度が50キロ規制に。にはか雨で時折、小雪となつたが速度規制は土地柄で強烈な日光おろしの西風の影響なのかしら。陋宅は水戸北インターが直近だが片側3車線の常磐道は水戸インターから北は2車線になり50km規制でも後ろから煽られるのもイヤなので水戸インターで高速を降りてしまふ。

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中文大学の政治学者・蔡子強先生も定年前退職ださう。同大学出身で学生時代は学生会会長。大学から六四追悼のモニュメントが撤去され学生会は解散で、もはや大学に自由に政治を語る環境がないなかでの引退。同僚で仲良しの馬獄先生も同様の判断をするだらう。