富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2018-02-20

農暦正月初五。曇。春節明けで世の中突然啓蟄の如く動き始めバタ/\。午後遅くから金鐘でのミーティング終はり同席したO氏誘ひFCCに啤酒飲む。春節明けで既知の給仕らに利是配り。帰宅して晩に岩波『世界』1月号読む。この号で小熊英二『3:2:5の構図』については十二日に記載の通り。社会学者でありながら見事な政治分析。そして尊敬するメディア研究の吉見俊哉先生が昨秋からハーバード大學に客員で研究、講義中ださうで「トランプのアメリカに住む」といふ短期連載(第1回)。トランプ大統領の大統領選挙に絡むロシア疑惑取り上げ、それぢたい問題だがネット上でのフェイクな情報の拡散で「トランプ大統領というそれ自体がフェイクのような現実を生んでいったのは積極的に何かを信じるというよりも置き去りにされた人々の自分を超えた世界と関わることを拒否するマイナスの力なのだ」といふ指摘が重い。ロシア政府の諜報機関のやうな政治的企図もつた発信とフェイクニュースを流すことで小遣ひ稼ぎをするマケドニアの若者たち。この二つが大統領選挙でフェイクニュース氾濫させた陥穽である、と。まず存在したのが「誰でも自分を偽つて真偽怪しいメッセージ発信できるネット環境」であつてロシア諜報機関はその環境を「利用しただけ」。既存のメディアが否定されネットでフェイクニュースが流れるリアリティの地殻変動。メディアが刹那的に増殖させる不安。ネットに期待された空間の匿名性と自由が無限の可能性は逆にこの空間への政治的介入の余地を生み、やがてそれを不可視の監視空間に転化させてゐる現実。これは中共などネット社会監視が露骨であるが実は米国も日本もネット空間への接続が表面上自由なだけで実際は完ぺきに監視されてゐる(監視できる環境下に置かれてゐる)ことは確か。こいつを潰そうと思へばSMS等でのその個人の私語をサーチして汚点を暴露するだけで事足りる世の中になつてしまつた。
▼画像は中山岩太の新興写真「・・・・」。昭和8年。まさに乱歩の時代のこの退廃的な空気。時代は焦臭くなるてゐるわけで浅慮で「いゝ時代」などとは言へないが当時の等とはさぞや面白いものだつたはず。東京都写真美術館で春に「『光画』と新興写真」展あり。

⇧希望小池と民進前原の対談につき神津連合会長の興味深い話。この合同につき当初から民進党所属議員の二重党籍容認の認識。自由党小沢一郎共同代表も同席予定だつた由。それが「合流の際は民進を離党」との流れとなり神津会長は「無所属で出ざるを得ない方を救うためにも民進党の名で選挙に出られるように」と求めたが前原代表が「決定を変えろというのは私に辞めろと言っているのと同じ」とまで気色ばんだといふ……まったく。
世界 2018年 01 月号 [雑誌]

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