富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

黒澤明監督『七人の侍』

fookpaktsuen2017-04-17

農暦三月二十一日。イースター連休4日目。午前中は官邸で書類整理。午後に尖沙咀。文化中心。香港映画祭黒澤明監督『七人の侍』見る。何度も見てゐるがNHK深夜テレビでノーカット版を見たあとホームシアターの大型スクリーンを含めても劇場で見るのは今回初めて。やはり何度見ても面白い。よくできてゐる。戦国時代といつても1590年代で時代考証として「本当にこれか?」と思ふシーンもいくつかあるが、あくまでフィクション。黒澤監督なら「これでいいのだ」である。戦後の活気そのもの。晩にNHKオンディマンドで六角精児「呑み鉄本線」の別バージョンで「ミャンマーなつかしの鉄道旅〜発見!大活躍の日本車両」(こちら)続き後半を見る。寝台特急北斗星」の車両を探す旅。北斗星は日本でまだ営業当時から古い車両をミャンマーが買ひ付けミャンマー版オリエンタルエクスプレス実現を狙つたが当時の軍事政権下で支障も多く具体化せず車両はコンディション保ちながら休養中。
イースター連休の最中、中国の井岡山(江西省)で観光地である杜鵑花(ツツジ)の名所で入場場所近くの渓流にかけた橋の木板が何枚も続けさまに折れ香港からの観光客20名が数メートル下に落ち9名が負傷(蘋果日報、こちら)。井岡山といへば「中共革命聖地」で、そこに350名もの香港からの団体。このツアー企画したのが大埔の区議会議員だといふ。香港から井岡山まで出向きツツジ愛でただけで帰るわけもなく当然、革命聖地巡礼の旅か。かうした地道な革命教育が香港の民草相手に浸透してゐるとは。

⇧かなり面白そうな物語だが空想物語の新刊で5,400円といはれるとさすがに考へる。それにしても川本三郎の書評、物語の内容をあまりに紹介しすぎ。これでは本書を読む面白みも半減してしまふ。⇧1947年に国共内戦長春満州新京)で国民党は林彪率ゐる中共軍に取り囲まれ1年に渡る兵糧攻めで少なくとも37万人が餓死したといふ。城内では飢ゑた子どもが溢れ人肉の売買もされたといふ。この歴史をまとめた書籍は当然、中共ばかりか香港でも出版見送られ台湾で出版の由。⇧かつては国府による戒厳令下の台湾で香港の自由が標榜されてゐたが今では台北市長が香港を自由もない面白みのない都市といふほど。だが台湾民主化に向け当時の言論を支へたのが香港で、それに『七十年代』誌で直接関はつた李怡先生曰く

當太陽花運動佔領立法院、攻佔行政院的被告或判無罪、或獲輕判、或撤回控訴的時候,香港好幾位為了公眾權益而參與抗爭衝突的青年被重判入獄兩至三年。「今日香港,明日台灣」本來是30年前台灣人的期待,現在同一句話卻成了台灣人的夢魘。
香港人的自由靈魂,是不會在強權壓制下泯滅的,自由靈魂也不會因自身受壓而減少對其他人爭取自由的支持。太陽花運動期間,一個香港人在台灣身掛紙牌,上寫:「我是香港人,請台灣踏在我們的屍體上,想你們的路。」他代表了香港許多自由靈魂對自己處境絕望,卻仍要對台灣發出警綃的呼叫。
成熟的自由靈魂即使本身受壓也會對其他受壓靈魂伸出援手,惟望初嘗自由滋味的靈魂不要對其他受壓靈魂輕蔑相譏。