農暦三月二十二日。東涌線は奥運站のショッピングモールにある映画館。前からずつと見たかつたタルコフスキー監督の映画『ストーカー』（1979年・ソ連）が香港映画祭にかかり、これを見る。『惑星ソラリス』もこの作品に比べたら具体的で現実的。この謎の「ゾーン」に侵入する２人の男と、それをガイドするストーカーとの恐らく一昼夜の話なのだが謎だらけ。観念的な会話はアタシの感性ではほゞ珍紛漢紛だが兎に角その映像が美しい。陰翳礼讃。３時間以上もタルコフスキーのその世界に浸かり映画館出て呆然と歩いてゐたら身なりの良いアート系の若者に「今のロシア映画、ご覧になつてゐましたね？」と声かけられ（ロシア映画ぢゃなくてソ連映画なのだけどと思ひつゝ）「えゝ」と答へると自分はタルコフスキー的な世界にとても興味があり香港で、さうしたイメージ作品の創造活動や映画上映といつた活動をしていきたい、それについて年齢や国籍を超へて興味ある人で一緒に活動できないか、できれば連絡先を教へてくれゞば……と熱意はよくわかるが、とてもそこまで前向きな動きのできる自分ではなく丁重にお断りする。シンガポールから数日間だけ香港に来ており丁度このタルコフスキーの映画上映があつたので見にきただけ、と言ひ訳。ごめんなさい。このショッピングモールに香港で一番大きいかしら？の無印良品あり。この空間が心地よいのは無印が出来てもう30年以上でせう、無印がもうすつかり生活の一部になつてゐる。映画見るときに冷房対策に丁度いゝ薄手の新素材の上っ張り購入。無印出てきたところで先ほどのアート青年に逢つてしまふ。シンガポールから来て香港で無印で買ひ物はしないですよね、普通。ウソは口実とはいへやはりいけない。風邪気味。この季節、冬は風邪をひかず暖かくなつたころにいつも風邪をひく。
▼朝日新聞世論調査。「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法の改正案について。賛成35％、反対33％と拮抗（同法案で朝日は２月に晋三ら用ゐる名称「テロ等準備罪」法案で調査した時は賛成44％、反対25％）。還暦以上では賛成は３割下回り反対が多いが40歳以下では賛成多。教育勅語についての晋三の容認に賛成31％（否定43％）だが40歳以下では４割が肯定（還暦以上は否定が６割と頼もしい）。やはり若い世代ほど怖い世の中知らぬぶん判断が甘い。森友問題は政府説明が不十分が75％で晋三支持層でも67％（３分の２！）が不十分とする、がそれでも晋三の支持率は50％で不支持が30％なのだから晋三がどんなにダメでも、それを国民の半数が支持してゐるとしたらダメなのは国民そのもの。晋三に責任はない。
▼渡部昇一逝去。
@fookpaktsuen: 皇太子マレーシアから帰国 「今回の訪問で最も印象深かった事はマレーシアという国が多様性に富み同時に寛容の精神からそれぞれの特徴を生かして共存共生しながら国の発展を進めてきたという点です」… URL
@fookpaktsuen: アップル社のiPhoneは中国で生産され米国が１個輸入するごとに米国の台中貿易赤字は239ドル増え年間60億ドルになるという。しかし部品は中国以外の５カ国から中国に輸入され中国に落ちるのは１個10ドル程度にすぎず中国でiPhoneを生産しているのは台湾企業である。
@fookpaktsuen: 折々のことば728（鷲田清一）わざわざ「正しい」って言わなくちゃならないのは大して正しくないからね。（いしいひさいち『ののちゃん』 の藤原先生） URL
