農暦十二月十四日。昏刻に深圳の羅湖入り。向西村。深圳では早くから普通の市街として開け小ぢんまりとした飲食店や按摩など多し。中上健次が好きさうな路地の東北餃子屋。店の者のネットでの電話の会話が春節はハルビンで云々と。南湖路まで歩き識る飲み屋へ。独飲でiPhone見てゐてふと思ひ出したのが滴滴出行のこと。日本など比べものにならぬネット化進む中国で滴滴は4年前に北京で始まつたタクシー呼び出しサービスだが今では全国で180万台!のタクシーや白タクなど網羅するシステム。これがすでにキャッシュレスとなつてをりデポの入金は独自ではなく単なるSNSからサービス全般のシステムに発展した微信(WeChat)でとなるが中国国内の銀行口座とIDがないと使へない。銀行口座があるが外資のStandard CahrteredだしIDがない。タクシーくらゐなら滴滴がなくとも路上で拾へば良いとタカをくくつてゐたが青島で痛感したのはとにかく「流し」のタクシーが少ない(それだけ滴滴になつてゐる)上にタクシー運転手が余り現金持つてをらず釣り銭が不足。微信に入金するには誰かに入金してもらふのが手っ取り早い。そこで聡明なこの飲み屋の若い女将に相談すると「いいわよ!」と即諾。微信の「紅包」といふシステムでさっと200元を入れてくれる。だがそれがアタシの須磨帆の微信アプリに反映されず他の店子も交へ「何で?」とあれこれ操作するがよくわからず、やつとのことで「地域変更」見つけ香港設定になつてゐたものを中国にすると200元入金済み。一件落着。だが何とアタシの現金が150元しかない。お恥ずかしいかぎりで飲み代と一緒に200元をカード払ひ。この店の女子は皆さん聡明で話も面白いが晩10時半で〆る。これから羅湖に出て香港に入境し……で自宅まで2時間近くかゝる。
▼上述の中国のネット化にかゝはる話だがNHKスペシャル「巨龍中国14億人の消費革命」について。中国で急激に広まるネット通販。経済成長しても小売業は今更拡充せず、そこを補ふのがこれ。小売店に行つたところで満足な品揃へなく専門店など頼れず、なら最初から通販で3、4年前でも広東省の都市部でも何かほしいものがあれば通販といふのには驚いたが中国でも拠点となるのが浙江省の何とかといふ小鎮。経済成長を謳ふ政府もネット通販後押しで首相が訪れるほどの田舎町にネット通販の会社がいくつもあり一攫千金狙ふ若者が全土からこゝに集まる。その影には「大学は出たけれど」の就職難もあり。それにしてもこの番組で驚いたのはアイデア商品売るのならまだしも近所の問屋で仕入れた何の変哲もないTシャツや詰まらないダサいデザインの携帯電話のカバーなどをネット通販で売る方も売る方なら、そんなTシャツを1枚60元で買ふ消費者もゐるのだから。
@fookpaktsuen: (天守閣はいま)コンクリ造り、近づく寿命:朝日新聞 URL 江戸城の再建について「史料面での問題はないが、現存する天守台は絵図などの残る天守が焼失した後に築かれたため、今の天守台の上に復元するのは難しい」と指摘する。……は難解な表現。
@fookpaktsuen: Clare Hollingworth, the journalist who broke the news of the second world war, dies in Hong Kong URL