富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Empire Theatre in Hong Kong

fookpaktsuen2017-01-12

農暦十二月十五日。晩に霧雨。
▼北角で取り壊し待つばかりの元映画館(State Theatre)。昨年、取り壊しのため大きな商業看板外したら現れたテラコッタが話題となりアタシも慌てゝ見に行つたが、それを戦後のモダニズム建築として保存すべきといふ声が。元々は1952年に建てられたEmpire Theatreで、建築家はGeorge GreyとS.F. Lewの二人で1928年にペニンスラホテル本館もこの方たちださう。1962年にCity Hallができるまで、このEmpire Theatreは香港では(Lee Theatreと並ぶ)ホールで、チェロだけでもGregor Piatigorsky、Issac SternやPierre Fournier、ソプラノのHelen Traubel、ジャズではBenny Goodmanなど錚々たる演奏があつたとは驚いた。それだけの文化の殿堂が戦後、新開地の北角に出来た、といふことは国共内戦で香港に逃げてきた上海閥が北角の新開地に住みつき戦前の上海の芸能文化が香港で再開したと考へて間違いないだろう。SCMP紙の記事“Hong Kong’s faded Empire Theatre back in the spotlight with vote to give it historic status”(こちら)。