富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

London Pride

fookpaktsuen2016-06-25

農暦五月廿一日。酷暑。「衝撃の金曜日」明けて土曜日。FTの週末版などじっくり読んでゐたら午後。家人と湾仔のHong Kong Convention and Exhibition Centreの香港製造品の販促売り場で「香港徵縮模型展覽」。香港の昔懐かしい市街の光景がこんな精巧なミニチュアにならうとは。FCCに寄る。メインバーで英国人がEU離脱派と残留派に分かれ緊張関係の中で飲んでゐるのかなんて思つたがラグビーの国際試合でイングランド対豪州の中継あり皆さん試合に熱中で飲んでゐる。London Prideといふ名前のエールを飲む。西營盤。皇后大道西、湖南料理の書湘門第の隣に山東餃子の「京香餃」あり。今日の昼に偶然訪れたら、やっぱり「あの」京香餃だつた、と顔本でS嬢が書いてゐたので早速。中環のGutzluff街に評判の餃子供す食肆あり、と評判になつた京香樓、此処が家賃高騰でか店を閉じ、当時、ミッドレベルに住んでゐたが近くのCaine Rdに出来た京香餃といふ食肆に入つたら京香樓(この屋号の使用も問題あつたはず)のご亭主と女将。数年後、愛想のいゝ肆猫とともに同じCaine Rdの近くのビルの樓上に移つたが、こゝも数年で閉業。ご亭主も以前より元気さうで何より。西營盤からは空港を出て港島東に向かふ空港リムジンバスが最初にこゝだけ止まるので島東に還るには便利。料金はHK$8のみ。

▼英国EU離脱といふ国民投票の結果が出た昨日は偶然かアジア投資銀(AIIB)北京で初の年次総会。その英国EU離脱につき私が読んだ限りで一番否定的コメントは野上義二・元駐英大使(90年代の香港総領事)が東京新聞

大変なことになった。これからEU離脱交渉が始まるが英国は不利な条件を次々と突きつけられるだろう。良いことは何一つない。交渉は難航し先行きの見えない不安が続くにつれて離脱に賛成した人たちは「なぜこんあことになったのか」と後悔するだろう。
都合の良い話を並べて離脱へと引っ張った政治家の罪は重い。笛ふきの明るい音楽に釣られ後ろをついて行った国民が最後は崖から落ちるのが目に見えている。
残留派が僅差で勝つことを最後まで希望していたが島国に暮らす英国人のグローバリゼーションなどの変化に対する嫌悪感が顕在化したのが今回の国民投票だ。

とまるで聖書で不徳な輩に対する断罪の書。倫敦のブックメーカーで残留に賭けてゐたのかしら。FT紙でMarin Wolf氏は“Brexit will reconfigure the UK economy”(こちら)と題して“This is, for me, among the saddest of hours.”と嘆きつゝ
In the short term, however, it will be difficult to make any such decisions sensibly. Business simply does not know how politicians will end up approaching the difficult negotiations ahead. This uncertainty has always been the obvious result of a vote to leave. Only time will clear this fog. But the view that, beyond a lengthy period of transition, the UK will be poorer than it would otherwise have been is overwhelmingly probable. The UK did well inside the EU. It is unlikely to do as well outside it.
と、たゞ/\平穏祈るのみ。FT紙の社説“Britain takes a leap into the dark”(こちら)も
For the UK, the vote has turned conventional wisdom on its head. A country renowned for its conservatism and political stability has taken a leap into the dark. Many will blame an inept Remain campaign lacking in passion and massively underestimating the depth of resentment toward the metropolitan elite. Fears about immigration and its impact on local communities ― more legitimate than many have admitted ― trumped national economic self-interest. The slogan of “taking back control” resonated with people who see Europe as a continent in disarray.
と、やはり動揺が隠せないなか精一杯。日経もかなりの紙面でこの英国EU離脱を語り久々に日経もかなりじっくりと読む。「震える世界 英EU離脱」といふ主力記事の初回が大林尚・欧州総局長の論説記事「開国型成長モデルに試練」(こちら)。

歴史に刻まれる英国の選択は帝国再興の序章か英国病の再来か。どちらに転んでもそれは英国民が負う責任だ。だが国を開くことで発展してきた英国が、ナショナリズムを優先して欧州に背を向けた現実は、世界経済の成長の原動力となってきたグローバル化に大きな試練を突きつける。
世界に目を向ければ、同様な反グローバル化の機運は至る所に見える。フィンランドなどでは極右勢力が政権党入りし、来年に大統領選を控えるフランスも極右政党党首ルペン氏の善戦が予想される。スペインは左翼の反EU政党が躍進。米大統領選の共和党候補になるトランプ氏に至っては何をかいわんやである。
モノ、カネ、ヒトが壁に遮られず行き来するグローバル化の潮流は、それでも止まりはしない。英国のEU離脱問題が顕在化させた負の側面を克服し、前進を続けられるか。日本を含めた世界の指導者が知恵を絞り、リーダーシップを発揮するときである。

なか/\はっきりとした主張は良いが、このテの論説って何故に最後がいつも「日本を含めた世界の指導者が知恵を絞りリーダーシップを発揮するときである」で〆るのかしら。これでいきなりベタになつてしまふ。これを書かなければ「英国のEU離脱問題が顕在化させた負の側面を克服し前進を続けられるか」で〆となり日経の立場は「あ、ここね」とわかり易い。で、実はその一つ前で論説を切ると「モノ、カネ、ヒトが壁に遮られず行き来するグローバル化の潮流は、それでも止まりはしない」だ。ここで止めるとグローバル化が終末論的で俄然、危機感があって面白いご神託になるのだが。そんないくつもの論説の中で「まさにズバリ」は毎日新聞での浜矩子先生の「離脱が自然だった」(こちら)。国家主義に対してEUの国境を越へる共同体創造はプラス思考のやうで「欧州委員会などが国々を縛り、それが各国の法律より優先することに不満が強まったことが本来の要因」とズバリ。スコットランド独立や北アイルランド問題もあり市場のパニック要因にならうが「ただでさえ市場は神経質」で「過剰反応する癖がついている」と。風が吹けば桶屋が儲かるなのだ。その上で浜先生は敢へて

英国政府もシティも外資を引き留めるためにいろいろ考えるだろう。EUの統一ルールに従う必要がない英国はEUより得という姿勢を見せるだろう。日本政府も、EUや英国との通商交渉など強気に臨み、良い条件を引き出す知恵を絞るべきだ。

と前向き。こんなことを晋三や黒田日銀に教へてしまつていゝのかしら。浜先生なら「安倍には無理」の一言でせうけど。そして何といつてもこの英国EU脱退で一番読みたいのは陶傑先生で題して「是解放,不是沉淪」。「英國選民終於邁出勇敢的一步,實動人心弦」とズバリ、脱EUといふ立場で(その方が論調が俄然面白くなるから)まぁ面白く読ませる。さすが。

退出歐盟,擺脫歐洲一個中央官僚權力中心的操控。不錯,如果你是霍金,你只會看見「學術研究人才交流」這一片的損失。如果你是英國麥當勞的倫敦區域經理,只看到從此沒有了羅馬尼亞廉價勞工來做低時薪的工作。如果你是中國富豪,即刻計算英鎊大跌從此去倫敦購物和送子女去寄宿學校會更化算多少。如果你是香港人,一日恒指因跌幅千點,即大感哀傷。
但這些只是碎片的局部。一隻瓶子打碎了,不同的人,各自撿起一塊碎片盯着,呼叫惋惜。一九一一年,孫中山推翻滿清,建立民國,那時北京皇城裏的剃頭匠,也很不高興,覺得從此中國人不必留辮子,定期上門的顧客生意暴跌。你告訴這些剃頭匠──他們都是漢人──現在趕跑滿洲韃子了,民國憲政了,我們可以投票了。剃頭師傅也聽不進去,一臉茫然,只喃喃問:以後我的生意呢?
英國退歐,你會聽到許多中國和香港評論人,從一個「錢」字來「分析經濟影響」。民以食為天,也難怪,只是身為世界公民,或一個喜歡歷史的人,比較有興趣於全局,而不是三兩碎片。
當然喜愛歐洲,但不喜歡一個膨脹而霸道的歐盟中央政權,正如上一代的錢穆和胡適,喜愛中國,卻厭惡中共。當然,其中的分別是歐盟沒有從冰島到希臘推行一套統一的「歐洲國民教育」,如「沒有歐盟,就沒有強大而幸福的新歐洲」,因為歐盟還是相對文明。
英國退歐,按二十年來一貫的流行說法,尤其在華文傳媒流行:這個國家國勢衰微,只是一個小島國,影響力日益下降。那麼按道理英國退歐,不應該「震動全球」,香港有強大的中國後方,市場十四億人口,消費力世界第二,早已跟英國脫鈎,香港的恒指卻因英國的公投暴跌千點,好似母親病了,胎裏的嬰兒也呼吸困難的樣子。
為甚麼會這樣?我見識寡陋,不是太明白。

憲法9条改正は現状では厳しいと晋三。謙虚な発言のやうで改憲の是非につき国民が判断するのは「選挙のときではなく正に国民投票のとき」と強調。つまり9条改正問ふ国民投票までは選挙後に着々と準備させてもらひます、だろ。

The British government will have its own problems of unity, as Scotland and Northern Ireland assess the advantages of staying in the United Kingdom against the disadvantages of losing membership in the European Union.
These immediate problems, moreover, do not begin to reflect the enormity of the fundamental questions now hanging over the presumptions and principles that have long underpinned the way Britain and Europe see their role in the world.
The British vote strikes at a time when Europe’s institutions and unity are being tested to the limit by the Greek debt crisis and the waves of refugees pouring in from the Middle East and North Africa. Even though Britain never acceded to the E.U.’s open borders or single currency, it has been a leader of Western Europe, a bastion of democratic values, economic probity and military reliability. What now happens to European unity in the face of challenges from Russia or the Middle East is one of the many open questions.