富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-06-19

農暦五月十五日。快晴。化粧品のLancômeが中共の圧力恐れスポンサー辞退のデニス何韻詩の自主コンサートに数百人の若者。銅羅湾書店事件でも中共言論弾圧に抗議で千人規模の市民デモ。酷暑。日傘さしてゐても肌を炒るやうな日差し。午前中一つ所用済ませ九龍城。家人と待合せ。九龍城街市のタイ料理に昼餉。เบียร์สิงห์(ビア・シンハー)。猪頸肉油飯。好物の豚の頚肉でご飯は豚のラード和へ。こんな身体に悪いものが不味いわけがない。新三陽などいつもの食材買ひ出し。家人とは黄埔にも寄る予定だつたが余りの暑さと連日の睡眠不足で軽い熱中症のやうになり啓徳のバス停で別れ独り帰宅。横臥するが眠れず。茹でたトウモロコシと揖保の白糸。このところ寝ても三時間くらゐで目が覚める日が続き、さすがに睡眠導入剤飲み寝入る。

東武鉄道で台湾鉄路の普悠瑪号デザイン塗装にした特急「りょうもう」号が登場。東武と台鐡のコラボはこの春、宜蘭火車站で東武スカイツリーライン日光線と台鐡の平渓線の相互乗車券交流サービスのポスター見て知つてはゐたが交流大いに結構でもなぜ東武と台鐡でも「平渓線なのか」が疑問。山奥のかつての炭鉱で栄えた集落に向かふ平渓線となら東武鉄道でも日光線なら下今市から日光か、実態的には東武でも会津鉄道」のテイスト。軒先を走るノリは東武鉄道で浅草なら、さしづめ花やしきのジェットコースター。この交流を知つてゐると余計に今回の普悠瑪号塗装の車両お目見えは「平渓線とは関係ない」のだが東武鉄道のHP(こちら)見たら実はかなり大規模な東武と台鐡の有効協力関係で第1弾が平渓線との相互乗車券や「台鉄専用館林・足利市往復きっぷ」なんだそれはっ!の発売で、第2弾がこの普悠瑪号塗装列車の登場。それでも「なぜ東武と台鉄なのか?」は不明。台鉄とJRなら、すんなりだが。最初にアタシがポスター見たのは宜蘭火車站で次が普悠瑪号と来れば台鐡でも東部幹線で東部=東武か、と思つたが(無理やり)、太魯閣号なら東部幹線だが普悠瑪号は台北を起点に高雄、台東まで、つまり電化されてゐない高雄〜花蓮区間除く幹線を走つてゐるので〈東部=東武〉は当たらないし、しかもこれは日本語だけでしか通じない(dōngbùとdōngwǔ)。

アベノミクスについて。

そもそも金融政策の評価を株価でするのは、おかしな話です。視点があまりに短期的です。金融政策は、もっと長い目でみた実体経済や物価に与えた影響で考える必要があります。
ではデフレ脱却できたのか。この3年間のコアの消費者物価の上昇率は、消費税引き上げ分を除くと年度平均で0.53%です。黒田総裁になって最初の日銀の物価見通しが1.33%だったのと比べると、その半分にも達しない。桁違いの超緩和を続けてきたのに、です。
それなのにいま、デフレ脱却が進まない理由として挙がるのは消費税引き上げの悪影響です。体のいい犯人隠しに使われている。これは罪深いことです。必要以上に消費税のマイナス効果を強調しすぎて、再引き上げのハードルをあげてしまうのが心配です。須田美矢子(元日銀政策委員会審議委員)

安倍さんは成長施策があると言っていましたが、経済産業省が作った成長戦略のカタログを示しただけでした。あれもこれもやっていると言っただけ。経産省はカタログの中で何が一番成長の原動力になるのか、日本経済の構造を変えうるのか、という論理を突き詰めていませんでした。
いま、金融緩和の賞味期限は切れつつあります。
このまま成長施策が現れてこなければ、黒田さんはとんでもない誤りを犯したことになる。ただ、今度の参院選でもそうした分析的な評価が出てきていないのをいいことに、時限爆弾をどんどん積み上げている状態です。
その爆弾がいま時を刻んでいます。爆発し、国債価格が下がって大混乱に陥らないか、本当に心配です。柳沢伯夫(元金融担当相・元自民党税調会長)

朝日の長谷部&杉田の時事放談は普段は杉田先生が突っ込みで長谷部先生のコメントが強く感じるが控え目な杉田コメントがけっこう面白い。

  • アベノミクスの果実が目に見えないのは、まだアベノミクスが足りないからだ……これが首相の論法です。しかし、これはギャンブルに勝てるまで賭け金を積み続ければいいという論理に似ている。期限を区切って「こういう数字を出す」と具体的に約束するのでなければ国民としては評価のしようがありません。
  • 安倍さんは昨年「集団的自衛権の行使は限定的」だと国会で何度も断言していましたが「新しい判断」が通用するなら、これだって覆せる。
  • 民主党政権に対して、マニフェスト違反だ、嘘をついたと怒っていた人たちはどこに行ったのでしょうか、という長谷部先生の問いかけに)元々、人々はなぜか「保守の嘘には寛容でリベラルの嘘は許さない」という政治的非対称性がありますが、それにしても行き過ぎの感があります。

これだけマイナス評価あつても、まだ晋三のアクセル全開信じ、消費増税延期も良かつたで晋三の支持率も安定で参院選に臨むなら、たんに「国民がアホ」といふことか。