富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

坊主だらけ

fookpaktsuen2016-05-02

農暦三月廿六日。やつと休日。陋宅でのんびりするつもりが書室のかたつけ。気がついたら陋宅はお寺ぢゃないのに坊主だらけ。午後にハーバー沿ひを5kmほどジョギング。夕方、家人と炮台山の油街實現藝術空間。元々は香港電燈(HK Electoric)の火力発電所だつた場所で火力発電で石油を使ふので油街、石油会社シェルも此処に隣接で蜆殻街、電気道……と街路名もそれに纏はる。李嘉誠に買収された香港電燈で昔の建物は次々と壊されおカネの成る高層ビルに化けてゆくなか辛うじて残された建物がアートスペースに。見に行つたのは紙を素材にしたアート作品だつたが北角の昔からの住居空間の展示もあり、それを眺めてゐたらスタッフの女の子が外国人だと思つて優しく丁寧に展示内容の説明してくれるのだが「あ、これはあのビルだ」「ここは昔はなんとかだった」、あ、このビルの屋上の写真がこれで……と私らが話すものだから「ご、ごゆっくりどうぞ」と引きつった笑顔。水星街の甘飯館。かつて100kmトレイルも一緒した広州O君も今は東京住まひで久々の来港、これに合はせ珠海H君も来て会食。持参のPenfoldsのBin 2 Shiraz - Mataro 2013年を2本飲む。二次会、と銅鑼湾のバーSでO君にご馳走になる。

山田孝男(風知鳥)が選挙意識した「安倍」対「反安倍」を不毛と語る。厳密さに欠ける自民党憲法案には疑問だが自民党が緊急事態条項持ち出せば「ナチスと同じ」と息巻く批判も一面的、と。だが晋三支持か反晋三以外にないでしょ。フランスがパパルペン反対で左翼が「鼻をつまんでもシラク」支持したやうに。まぁ晋三がルペンならシラクもゐないのが今の日本の保守だが。
▼皇后が皇居内の野蚕室で天蚕の卵を櫟の枝につける「山つけ」の作業の由。「卵がついた和紙をホチキスで留めていった」ってホチキスじゃ「伝統的に……」といはれても。
▼「反グローバル化にどう対抗するか」と日経の社説(こちら)。グローバルがいゝといふ発想こそあまりに短絡的だろ、日経さんよ。