富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-12-05

農暦十月十四日。朝の気温摂氏十一度。フィリピンを昨年晩秋と同じ最大規模の台風亦た直撃。そのなか在比A氏より頼みがある、と連絡あり。ANAのマイレーヂ使つてフライト予約したいが燃料費や空港税等支払ひはクレジットカードのみ、で隠居暮らし前にHSBCの銀行口座解約しクレジットカード処分したA氏、一時帰国した日本ではいくら銀行預金あらうが無職の高齢者はクレジットカードも作れず、千葉そごうで月20万円の買物続けてもそごうVISAカード申請受理されず、でカードレス生活だからマイレーヂでのフライト予約も出来ぬ、と。そこで香港で私が第三者でカードで支払ひすることでANAでフライト予約。マニラと東京の往復で座席指定するのに酒飲みの高齢者A氏のこと考へCクラスでは正面向かつて右通路側にトイレがあるといふのでシートは3F確保と我ながら、なんて心くばり。で支払ひもアタシのカードで出来る、のだが「ANAクレジットカードはお持ちですか?」にNoと答へると「他のカードの場合はお支払の方の本人確認が出来ないので、お手数ですがフライト当日、そのお支払ひのカードを搭乗者の方にお持ちいたゞけますでせうか?」と。はぁ?である。支払ひ確認のためアタシのカードをA氏が携帯とは……。カードのコピーを取り、そこにアタシが支払ひは問題ない、とサインでもして見せるならわかるが、カード提示って極端な話、盗んだカードでも第三者のを提示すれば問題ないの?と突っ込みたい。先方の担当者は「ちょっとお待ちください」のあと「お支払される方はANAマイレージのアカウントはお持ちですか?」と問はれ、もう15年くらゐ使つてゐないが辛うじてそれがあつたので、それで本人確認出来たことで難儀したが支払ひ終了。パスポートの備考欄に手書きした住所で本人の住所確認したり他人にクレジットカード預けたり、サイン欄が楷書か筆記体で署名だつたり、やっぱり日本の感覚は不思議。晩に陋宅で肉骨茶啜る。霞む空に見事な月。
▼香港の学生らの民主化運動は継続か中止か、の判断も分かれ寒空に疲弊も積り結局のところ「何も変へられなかつた」といふ寂寥感、中共への対話の余地なき不信感だけが残るのかしら。結果論だが最初の警察の暴力的排除行為に世論の非難が高まり道路選挙の運動も勢ひあり政府幹部との対話イベントの後くらいに「撤収!」と叫び余力残し「またいつでもやってやるからな」で退いてゐれば兵法としては成功だつたはず。まぁ外野からは何でも言へるのだが。東京新聞の社説で台湾与党敗北受け「民意に沿う中台関係を」と香港の混乱と親大陸の国民党敗北の台湾と対峙する中共に対して「習近平国家主席は今回の台湾住民の民意をくんだ台湾、香港政策を検討してほしい」と(ちょっと文章がヘンだが)と注文してみせるが、習近平にしてみれば十分に実情加味した上での対港、対台政策であつて今更、日本の新聞に苦言されるところではあるまひ。さらに同紙は中国総局長(白石徹)の論説「残り33年 衝突継続も」と香港の民主化運動論じ、香港で中年の市民が若者たちは中共の本当の怖さを知らない、とそりゃさうだが「怖さを皮膚感覚で知るのが四十歳以上なのか」って香港市民で四十歳以上でも内地からの移民でもないかぎり皮膚感覚でそれを知るものなんてゐないし、それを知らないかぎり一国二制度が守られてゐると思ふべきで、習近平がまるで香港や台湾の自治を踏みにじるやうに立ちはだかる、とか他のメディアでも中英合意はすでに破綻した、とか容易に否定だけしてみせるべきではないはず。だが香港や台湾の市民や北京中央の賢さに比べダメ〜よダメ、ダメはCY梁や共狗ファニー羅范椒芬で前者は「沒有出路的香港青年可放眼香港以外的地方,包括到中國內地發展事業,政府會有較𥶡鬆的入境政策出台,吸引人才來港」(香港で出路の見えぬ若者は内地でのビジネス展開なども含め目を外に向けてみるべきだし、香港政府は入境政策を広げ才能ある人材を取り込みたい)なんて香港の若者のたゞ反発食らふコメントするし後者は「自分の知人が中共が怖くて、じゃなくて香港の若者の世相が怖くて海外に移民した」なんて言ってみせる。かういふ人たちがやはり一番の癌である。