富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

黄君、スニーカーの紐が解けているよ

fookpaktsuen2014-12-03

農暦十月十二日。小雨。晩にアイランドシャングリラホテルで天皇陛下ご生誕祝賀のレセプションあり。末席を汚す。N総領事が主賓のCarrie林鄭月娥政務長官を前に香港の法治の安定性、その重要さに言及が小気味よい。陶傑兄の尊顔を拝す。ずいぶんと日本酒いたゞく。珍味たくさん供されてゐるがアタシは立席パーティでは酒のグラスだけ。銅鑼湾で途中下車でバーSに飲み半夜三更かなり雨。
朝日新聞藤原新也先生の「黄君、スニーカーの紐が解けているよ」が凄い(こちら)。ジョシュア黄之鋒君に偶然、彼が銅鑼湾でビラ撒き中に遭遇し、対話は無かつたがアイコンタクトで彼の写真を一枚収め、立ち去る間際に一言だけ声をかけたのが「黄君、スニーカーの紐が解けているよ」である。まぁ『深夜特急』の筆致ご健在何より。それでも記事の内容は気分次第。いちいち誤解?が気になるのは、魚翅は大陸人が多く香港に旅行する前から高値で、しかも香港では魚翅禁止が広まり需要が減り値段は上がってゐない。大陸人を内地人とは呼ばぬ。香港は世界でいちばんモノがあふれておらず、日に150人の大陸からの移住受け入れは150人は「噂では」ではなく法定で、移住は「無条件」ではなく、銅鑼湾はヤクザが多いわけではない。香港のこの晩秋の霧はPM2.5の影響ではない。R大学のK先生は更に「ウエイトレスの態度が妙に刺々しいのも、必ずしも大陸観光客に関係する話でも、最近始まったことでもないだろう」と。さすが、なーんでもないフツーの夜市の廟街を歩くだけで「人生のスリリングさ感じちゃった」多感な藤原深夜特急先生、感性がアタシたちとは違ふ。 ←付記:思はず藤原新也沢木耕太郎を混同しておりました。失礼。
▼昨日の朝日新聞オピニオン欄でアベノミクスについて若田部昌澄(早大教授)曰く、本来のアベノミクスはデフレ脱却をば最優先課題とし経済再生と財政再建を進めるものだつたのに消費税増税による景気後退は失敗、消費税を5%に引き下げを、と。「リフレ派の浅知恵」なんて悪口はアタシは言ひません。それに対する浜矩子(同志社大教授)はアベノミクスは崩壊、と相変はらず、むすっと罵詈止まず、株価上がれば経済好転は本末転倒、株高は外国人投資家によるもので「売るために買う」では株高も長続きせず、最大の眼目が成長戦略なのは時代錯誤、多くの国民は景気回復を実感できず晋三の衆院解散は「もう、いやっ」と将棋盤ひっくり返したやうなもの、と。