富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2012-05-20

農暦四月卅日。朝久々に晴れたが午後から大雨。今日も官邸にて独居御執務。帰宅して乏しい葡萄酒貯へ整理するとCh. Sainte-Colombe 01年なるボトルありRPで確かめれば「飲むに古し」で抜栓して一口含むとその通り。即席でサンングリア酒にす。星加坡国際競馬中継あり。アタシもお誘ひ受けたのは三年前。テレビ中継で馬主のO氏、ハロンS氏ら知己の皆さんがパドック、ゴール前にいらっしゃるのを眺めるのも不思議な感じ。雷雨のあとクリスフライヤースプリント。ロケットマン不在でAtoなる地元馬が優勝。国際カップは十二月の香港国際優勝のカリフォルニアメモリー昨年に続き出てゐるが昨年、このレース一番人気で期待裏切つたチャドヰック君疎まれF. Coetzee騎手。この馬も今は調子今一つでアタシはBig Valley StableでO氏らが馬主のエルドラド(高岡厩舎)に賭ける。アタシが観戦させていたゞいた09年とよく10年のレースでエルドラドは8着で今回は8歳で5着入賞。優勝は地元馬のチンション。右上画像は今日乗つたタクシーの後部座席扉(内側)」。窓の開け閉めのレバーもないオンボロなのにナンバーがPPってわりあひ最近の登録なのは何故かしら。
菊池寛から文藝春秋嫌ひだが<橋下>で文春が反橋下の論調。民度低き邦が「すわ橋下」と靡くなかまさか文春の主張に溜飲下げるとは我ながら寂しいがフランスで親ルペン登場の折に社会党が鼻をつまんでジスカールデスタンに投票のやうに今回は文春の主張支持のアタシ。文藝春秋六月号の特集で作家の西村賢太は橋下の特異性よりも性懲りも無く橋下維新ブームで時流に乗ろうとする(議員になろうとする)浅はかなる輩の存在を疑ひ佐藤優は橋下に國體観があるのか、と問ふ。まさに。その橋下への公開質問状のなかで秀逸なるは中野剛志(京都大学)で橋下など質すにも値せず、として橋下に与する「保守」を叱つてみせる。保守とは急進的な国家改造を警戒し中庸を重んじポピュリズムを嫌悪、机上の空論より常識や慣行、長年の経験に裏打ちされた智恵を有し奇抜な流行に乗らず未熟な若者の軽卒を戒め多数派の横暴には断固として立ちはだかる、それが保守ではないか、と。その保守が「本来最も嫌うはずのものこそ橋下氏の手法や政策ではないか」。その保守は小泉の構造改革をば支持した前科もあるが、橋下の下には構造改革に飽き足らぬ元官僚たちも群がり大阪を玩具に改造ごっこに興じる態。しかし、その「構造改革」こそ保守が護るべき日本の国柄を破壊してゐるのに、なぜ「保守」が橋下を支持できるのか、と中野氏の指摘はご尤も。

文藝春秋 2012年 06月号 [雑誌]

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