富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2011-06-07

六月七日(火)晴。朝いつもより朝刊配達遅いのは台風大雨か輪転機の故障でもなければ夜半に何か重大ニュースあり朝刊の紙面に間に合わせてゐるとき。不意をつく大事件もあるが今朝は深更に米国桑港で開催された蘋果電脳催事で恒例のスティーブ=ジョブス氏講演ありiCloudiOS5OS X Lion発表あつたから。空が明けるなか新聞が届くまで蘋果電脳のサイトでこの基調講演眺める。アップルの日本語サイトでも基調講演(英語)がちゃんと=日本語訳字幕もなくそのまヽ流れてゐるのは当然なのだが大したもの。これくらゐ英語が理解できなければ日本民族は地球上で生きてもいけまひ。発表の内容は予想通り。十五年ほど前、まだネット普及になる前だつたが日立の技術系にゐた郷里の先輩のM氏が、近い将来、PCは自分用といるのが無くなり、マイクロチップか自分を認識させる瞳孔の情報か指紋か何かあればどこのどのPCでも自分が近づいただけですーっと自分の画面が現れる時代が来る、と仰つてゐたが、まさにそれが現実化。アタシの生活はすっかり蘋果化してゐる(蘋果日報も含め……笑)。哺時、帰宅して漸く届いた居間天井の扇風機の羽根を交換。従前のものより四吋だか長いだけだが風の当たる範囲がかなり広がる。晩になつても気温下がらず摂氏三十度のなか冷房もつけず大根おろしと韮で豚肉の鍋。狂気の沙汰。だが年寄りは大汗もかかず鍋が楽しめるから嬉しい。早朝に見終らずの蘋果電脳の基調講演残り見て就寝。
▼かつての保安局長・葉劉淑儀、教育局の羅范椒芬(Fanny Law)、さらに姐御は司法司長だつた梁愛詩など香港政府には果敢に?本音で語り舌禍に陥る女高官少なからず。暫く静かだったが新星登場(笑)は教育局常任秘書長(教育局次席)謝凌潔貞が事もあらうに六四の翌日、香港の伝統的左派学校・福建中学の卒業式で天安門事件・六四を中国歴史上の「小小的沙石」(些細な出来事)と発言、と蘋果日報。卒業生の一人が呆れて「六四事件應該要有了結」と反論の一幕あり。香港での中国愛国教育推進が俎上にあるなかこの女官は徳育・公民教育につき「有一些批評人士,其實來來回回都是關注兩個問題,第一個,這是不是一個政治的洗腦;第二個就是為甚麼不討論六四、不討論艾未未」と自ら語り始め「在中國歷史長河上,六四事件只不過是一件小小的沙石」と談じ学生に国家の一国民として社会の公民となり前を向いて=過去にいぢいぢ拘らず?と諭したといふ。教育局の報道官は蘋果日報の取材に「謝太致辭時提及任何國家在歷史長河中總會有沙石,而歷史上發生的很多事件,未必所有事情都得到所有人的認同,但認為這些事件不應影響對國民身份的認同。發言人強調有關言論並非針對個別事件,也沒有以六四作為例子」と弁解に努める。これにつきYoutubeにこの卒業式での女官の祝辞の録音が公開される。それによると徳育・国民教育に関する政府提案書について「有一些批評人士,其實來來回回都是關注兩個問題,第一個,這是不是一個政治的洗腦;第二個就是為甚麼不討論六四、不討論艾未未」と語り国民教育が洗脳ではないかといふ批難に対して「我覺得如果擔心洗腦,其實就是對香港、對自己沒有信心」と自説語り歴史認識について「而且我覺得,在一個歷史的長河裏面,少不免會有些挫折、有些沙沙石石的」と語つてゐる。これに対して全体の意を汲んだ(ほぼ理解に間違いないが)この学生が「六四事件應該要有了結」と反論。この感覚こそ尋常。この女高官こそアタマがイカレてゐる。公僕たるもの寧ろ政治的中立で冷静な行政能力が求められる気がするが香港の女高官はヘンなの少なからず(男は宦官ばかりだが)。

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