富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Geoffroy Couteau et The RTHK Quartet

fookpaktsuen2011-06-08

六月八日(水)朝、驟雨あり。雨歇めば路上たちどころに乾き熱さ続く。早晩に中環。FCCのラウンジに寛ぎ早酒。RTHKのRadio 4でクラシック音楽番組担当するJonathan Douglas氏と暫し歓談。昨年だつたか長年の英国古典音楽の普及に対する功績から英女皇よりMBE勲章授賞。好物のIrish Stew食して香港大学。まだ続くLe French Mayで今晩は同大講堂(Loke Yew Hall)でGeoffroy Couteauなるフランスの若手ピアニストとThe RTHK Quartetなる四重奏団との演奏会あり。香港大のN助教授、Z嬢とZ嬢友人N嬢で鑑賞。ピアノでリストのメフィストワルツ1番。ドビッシーの弦楽四重奏ト短調作品10(第3、4楽章)、ブラームスのピアノ五重奏ヘ短調作品34(第1、4楽章)。リストはアタシは「聴くより弾いて楽しい」と思ふ。聴き手としてどこか楽しめない。ピアノを弾く人が弾いて、聴いてこそ楽しいリストなのでは。羨ましい。ドビッシーの弦楽四重奏。このThe RTHK Quartetは香港シンフォニエッタのメンバー中心に結成されたRTHK所属の四重奏団(こちら)で殊にハノイ出身のヴァイオリンの李海南君(こちら)のキャラが立つ。RTHK聴いてゐる方にしか「へぇ」といふ話題ぢゃないが、ドビッシーに続いて演奏されたブラームスピアノ五重奏曲、第1楽章の主題はRTHKの聴視者にはいつも耳にする慣れたフレーズなのでRTHKのカルテットがこれを奏でると親近感。それに予想以上に躍動的な演奏でござゐました。このプログラムの本編は日曜日に元朗であり。夕食とつてゐなかつたZ嬢の小夜食に北角で蕃薯苗小館。アタシは麦酒飲みつヽZ嬢食す水餃担々麺見てゐたがなか/\美味しさう。寝際にようやく加藤陽子東京大学文学部教授)著「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」読了。その複眼的視点や歴史の見方かなり評判になつた歴史講座本。多少、左傾なのだが文芸春秋的にも受け入れられる歴史観で極端に自虐的に日本が悪いでもなく(たヾ「その判断は間違ってたでしょう」はあるが)米英に騙された被害者でもなく面白いといへば確かに面白い。ただ読了するのにかなり時間を要した=読んでゐてすぐ寝てしまふのはたんに生理的に加藤陽子といふ著者が合はない、アタシが落語なら円楽、歌舞伎なら高麗屋が苦手なのと一緒。それでも、御節尤もなのだが、あれほど高く評価されるほど目から鱗、の歴史の見方があるか?といふとさうでもない気がするのだが。アタシの感性が鈍感になつてゐるのかも。知り合ひの中学生に読ませてみませう。
▼来年の行政長官(特首)選挙で有力候補の一人とされる唐英年政務司長が政務司の身で政府内のリソース使ひ報道担当官なども引き込み特首選挙準備、と蘋果日報。ガセネタか?とも思つたが唐英年本人が事実無根と否定に躍起(翌日の各紙も追従)。しかもネット対策請け負つたのがiProA(こちら)なる団体、で実は親中御用政党・民建聯系で先月から話題なのはHK$2億の香港IT教育疑惑ゆゑ。(以下、追記)九日の蘋果日報によれば唐英年は香港マスコミ界の大班・鄭經翰をば選対参謀に招かうとしたがリベラル派にも影響力ある鄭大班には体よく断られ中聯辦の推しもあり民建聯系のiProAに繋がつたとか……。

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだ