十月十四日(木)晴。早晩にFCCで独飲。Shepherd's Pie食す。市大会堂。香港ショパン協会の主催で今週は秋恒例の音楽会続く。アタシは今晩がお初だが一昨日のSofya Gulyakといふピアニストと倫敦チェンバーオケの弦楽五重奏のショパンのピアノ協奏曲2番(室内楽用)がとても良かつたとZ嬢や昨晩、郎朗で会つたF君から聴く。今晩はパスカル=ロジェさんのピアノ独奏。この協会の主催者であるAndrew Freis氏の恒例の前説から始まるがアンドリューさんのこれはもはや話芸の域。ショパンとシューマンの生誕200年から話が始まりピアノといふ楽器の音階と鍵盤の特性、でロジェさん紹介し今晩の小曲集が平均律ではないが音のつながりから云々という解説となり、小曲だから一曲終はる毎に拍手は不要、前半の最後はショパンの「革命的」だから革命的だからわかるだらう、と笑ひをとる。でロジェ先生の演奏は
フォーレ 夜想曲1番変ホ短調
ショパン 夜想曲13番ハ短調
プーランク 夜想曲1番ハ短調
ラヴェル 高雅で感傷的なワルツから3曲
ドビッシー マズルカ二短調
ショパン マズルカ二短調
ドビッシー 12の練習曲から8本の指のために
ショパン 12の練習曲作品25から1番変イ長調 エオリアンパープ(昨晩は郎朗のアンコール)
ドビッシー 12の練習曲から組み合わされたアルペッジョのために
ショパン 革命のエチュード
と本当にこってりフランス。で曲の終はりの音が次の曲の始まりにつながり、いはヾ「尻取り」。ショパンのエオリアンパープが昨晩と今晩でどちらのほうが良いか、は言はずもがな。市大会堂で六割くらゐの客の入りで、昨晩郎朗と違ひ本当に聴きたい客だけが集まつた感じ。ロビーにはグラフマン先生、明晩演奏ありのピーター=フランクル先生のお姿を拝す。で舞台にはロジェ先生なのだから、なんて贅沢な場面だらう。後半は
ドビッシー バラード
ドビッシー 前奏曲集2から妖精たちはあでやかな踊り子
ショパン 雨だれの前奏曲
ドビッシー 前奏曲1から...La fille aux cheveux de lin, ..Le vent dans la plaine et ..Ce qu'a vu le vent d'ouest
ショパン 24の練習曲作品28から6番ニ短調
ドビッシー 前奏曲2から..la terrasse des audiences au clair de lune, 1から...Les collines d' Anacaprと2から…canope
ショパン バラード4番へ短調
とたっぷり続いたのだがAndrew先生に「曲間の拍手はするな」と言はれていてもドビッシーの「妖精たちはあでやかな踊り子」のアトなど「拍手をしたい気持ちを抑へることがこんなにつらいことだなんて」(と秀和さん風)。そこから「雨だれ」に、かう入るのね。さすが。アタシはロジェさんは何といつてもドビッシーだがショパンも「革命の」はロジェ先生にショパンのポーランド的な半分がないのでちょっと違ふ感じだつたが最後のバラードなんて数ヶ月前のツィマーマンより今晩のロジェの方が素晴らしいだらう、絶対に。ツィマーマンは数年前のあの興奮に比べ今年はなぜ、あんな感じだつたのか、が今でもちょっと解せず。でアンコールはサティのジムノペティの1とラヴェルのソラチネ2番。本当に幸せな夜。
@fookpaktsuenhkg: @chotokutanaka 「日本の古本屋」サイトでも漁れません<成都道中記 読みたい それにしてもなぜプラハでこの本のことを?
2010-10-14 23:47:36 via web to @chotokutanaka