富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2010-04-21

四月廿一日(水)曇。何だかこのところ倦怠感たまり胸が閊へるといふか。心が晴れず。かういふときは旅行の計画など立てられゝば気分転換にもでならうがさふもいかず。鬱憤晴らしといふわけぢゃないが銅鑼湾に寄つた次いでにヰンザーハウスの電脳フロアでiPodの周辺アクセサリ購入。何故か電脳屋の中に一軒だけ徠卡やハッセルブラッドの高級カメラ扱うL&H Photollection(www.lhphotollection)を恐る/\覗くとニコンデジイチも扱ふやうになつてゐる。銀塩の古典的高級カメラだけぢゃ商売にならないがニコンデジイチなら他に何処でも大量販売で特色もなし。M7以前の徠卡のカメラ本体がかなりの値崩れ。それに対してレンズの価格高はやはりマイクロフォーサーズでのクラシックレンズのリバイバルなのね。香港で46回目の捐血。晩遅くまで針仕事続くので銅鑼湾の「さんぱち」で札幌ラーメン。薄味志向で「淡味」で注文したが札幌味噌ラーメンの薄味はかなり寂しいし美味くないことに気づく。晩遅く北角でミニバスを待つてゐたら老人が歩いてゐるやうで、たヾ立つて震へてゐるやうでよく/\目を凝らしたら足がほとんど上がらず身体を揺らす毎に3cmくらい左右の足が前に出るやうで小刻みに(一秒に三回くらゐ)この振動続けると結果、ほんの少し前進する。あたしがミニバスに乗るまで、乗つて発車するまで五分くらゐだつたかしら、10mくらゐ前進した、といふより老人の場所が移つてゐる。時速で計算すると時速120mか。早足でのキロ八分ならぬ牛歩も真っ青のキロ八時間。ムカデより遅いかも。なんて世界かしら。どうしてこの老人が独りで歩いてゐるのか、独居で何か必要があるのか、せめてもの運動なのか。それにしても怖いのは車道を渡らうとしてゐること。このペースで車道に出たら当然、横断歩道があろうがなかろうが自動車の走行遮り大変なことになる。歩道は漫歩のこの老人もさすがに車道はやゔぁいと判つてゐて通りすがりの男に「ちょっと手を貸してくれ」と請ふが歩道の角で振動してゐる見窄らしい年寄りは歩行者に怪訝に思はれるだけで誰も手を貸しもせず。アタシの乗つたミニバスもその場を離れ、そのあとどうなつたことか。この老人はなぜ歩くのでせう。

▼北京中央と香港財界の子飼ひのやうな香港政府が突然、治産商に対してマンション販売での誇大広告制限盛り込んだ指針発表。歯止めかゝらぬ場合は立法化も辞せず、と牽制。治産商=財界と思へば香港政府の勇気。マンション販売の誇大広告は余りの誇大ぶりに今更誰も信じず寧ろ「お笑ひ」としてアタシなど楽しんでゐるが李嘉誠財閥の「出たがりMD」芸人か?の趙國雄(右図)など「マンションといふ夢を売つてゐる」とか妄想もかなり。

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