四月十八日(日)曇天。昼過ぎ太古城の映画館で台湾の青春任侠映画「艋舺(Monga)」見る(公式)。八十年代の台北、西門から龍山寺の「あの辺り」が舞台(詳細)。今の西昌街のアーケードや路地でロケしても四半世紀前の八十年代と言はれゝば街並みもふら/\するオヤジたちや姐さん方もみんな進化してをらず。愉快。不良の高校生たち四人の仲間入りした「蚊子」が五人で黒社会の若衆となり五人の出自もキャラも面白く背景となる台北のこの祖師廟から龍山寺のあたりを舞台に暴れまくるが次第に黒社会の抗争に巻き込まれ友の裏切り、実は親愛、対立する組の抗争……と脚本もなか/\。中上健次の物語の若者たちもさうだが友情が際どいところで同志愛に転嫁しさうな、この相方のためなら命を惜しまぬような関係性。脇を固める大人たちの役者がこれまた渋い。台湾では「海角七号」以来のかなりヒットと聞くが香港では今一つ、は「海角」もさうだが台湾と香港のDNAの違ひなのかしら。日曜午後なのに太古のこの上映回では客の入りはガラ/\。MTRで湾仔。夕方の映画まで一寸時間あり湾仔で麦酒の一杯でも飲まうか、とLockhart Rd。上海での「一級方程式賽車」つまりF1の中継があつたやうで賑やか。パブ、トラファルガーに上がらうと昇降機に乗つたらどや/\と集団が乗り込んで来て、その中の一人が阿牛(曾健成、社民連、東区区議会議員)で満員で昇降機に乗り込めず「先に行け」と外で笑つてゐるのが梁「長毛」國雄議員。久々の邂逅に黙礼。さう、今日は民主派のデモあり抗癌治療中の司徒華先生も車椅子で参加のはず。デモ行進終わつてからの打ち上げの由。長毛君のような愛煙家にはバルコニーのあるこのパブはお気に入りのやう。昔なら蘭桂坊のClub 64だつたが。麦酒一杯飲んで芸術中心。Z嬢来て島津保次郎監督の「隣の八重ちゃん」(1933年)見る。八重の姉(京子)演じる岡田嘉子はソ連亡命三年前か。昭和初期の東京の新興住宅地は蒲田撮影所に近い、目蒲電車沿線のまだ家々も疎らな下丸子あたりかしら。サラリーマン家族を舞台に、やはり女性の強さ、奔放さが前面に。戦後のホームドラマの(あまり意味のない筋の)原型を見たやうな感ぢ。隣家の娘だつた八重ちゃんがボクたちの家にひょんなことから間借りして同居人になる、とそれだけ。小津だと、同じ話でも「うーん」と唸らせるし成瀬ならどこか業を表すだらう。それがさらりと「こんなんが大森区の住民でござゐますよ」と見せて終はるのが島津監督の真骨頂。Z嬢とよくありがちな日曜晩の餃子、で湾仔のこのへんなら北京餃子皇なのだが最近どうも敬遠、かといつて皇后大道東の北方餃子源も一寸遠いし、と百年ぶりで美利堅京菜へ。香港では北京料理の老舗で相変はらず親の代からの熟客と文字通り米国客多し。美味い不味いより油っこさと濃い味付けが昔なら当たり前だつたのだらうが今のアタシにはもう異次元。晩に文藝春秋(五月号)残り半分読む。今日の映画、台北の西昌街でヤクザが営む蛇の生き血で強精剤飲ませる店で不良の息子兄弟が隣の食堂の娘、八重ちゃんからかふ筋で「艋舺の八重ちゃん」も面白さう。
▼欧州の火山噴火での空路閉鎖で今週末のQE II Cupも欧州から調教師や関係者の来港が予定より遅れ(騎手もそろ/\)QE II CupのChinchonやChampion Mileの Cat Juniorの出場危ぶまれる、とSCMP紙一面トップ。
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