富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陰暦三月初一。或る事で若い人、所謂「八十後」世代だが、その人に或る事相談され「コンプライアンス上は」問題あるが「大丈夫だから此々然々頑張りなさい」とアドヴァイス。香港大学法律学んだくらゐの人なので安心してたら先日、或る組織からこの人のことで照会あり。本人がその事で心配なので、と組織に尋ねた由。阿呆。了見ってものが浅すぎ。あたしは組織のやはり八十後のこの人に「兄さんよ、あんたにそう聞かれたら俺だって答えに困る。だからその人に、そんな四角四面に真ッ正直にモノを通さず、この俺にそっと相談してみるように言ってくれないかい?」と伝へたが、この組織の若衆も了見ってものに欠けアタシの意を解せぬやうで、事主は一向にアタシに連絡もしてこなければ、また馬鹿正直に組織の一つ上の方から「きちんと対処するのが当方の責任と義務です」と問ひ合はせあり。この人も八十後世代。アタシも若い頃は「新人類」なんて呼ばれた世代だが、こんなバカだつたかしら。若くても多少の了見ってものがほしい。物事を解す間口が狭すぎ。最近の若い者は、なんて年寄りの愚痴は古代エジプトの石版に象形文字でも愚痴られてゐたさうでアタシの小言も愚の骨頂かも知れないが。諸事に忙殺され夕餉逸し遅晩に至る。銅鑼湾で欠食児童気味だが、この時間に焼鑞はなからう、と良識ある判断で雲呑麺なら良からうと久々にC記に食せば途中で残して帰らうか、と思ふほどの不味さ。かつては香港でも馳名の食肆が渋谷のパルコにまで出店したくらゐまでは店も親方が目を光らせ家族経営で悪くなかつたが移転して店舗拡張しミシュランに(★なしだが)載つちまつたあたりから駄目。完全に他人任せ。機転の利かぬ緩い女給たち。雲呑麺注文したら「普通のか?」と女給に質され何?と思つたら遊水雲呑麺なるHK$40もする品もあり。活蝦をば魚市場で当日買ひ付け雲呑の飴にした由。たかだか蝦雲呑のくせに。一寸評判になり儲かつたらさっさと店の営業権転売したり店を他人任せにしたり、は駄目。天后の華姐があれだけ繁盛でも八十の齢で店に出て、店を託された息子が懸命に接客する、あれが商売の基本だらう。鏞記の甘師伝も第一線に立つから鏞記が際立つといふもの。ところでこの食肆の名でグゞつたら日本から勇むで雲呑麺食しに来られた方が店の者に「さすがC記の雲呑麺は美味いっ!」と告げたら「明後日来やがれっ!」と睨まれ何かと思へばC記の隣のもう一軒の雲呑麺家だつた、といふ逸話に笑ふ。
▼SCMP紙の胡錦濤国家主席の名前誤記。「胡佳」は国家政権転覆扇動罪で収監されてゐる中国の反体制派の人権民主運動家。ここ数年、ノーベル平和賞の候補とされる。中共にとつては敵。それを胡錦濤の名前と取り違へ。シャレにならず回収騒ぎに。

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