十二月廿八日(月)寒雨。郷里の母より小包届く。アタシが日本で註文した書籍の他、つきたての切り餅、干し芋、やはり日本の香ばしい柚子、Rolleiの白黒フィルム(レトロ)六本箱入り、母がご覧になつた京都南座顔見世の筋書きと南座の来年の暦、高野山大師堂の線香(白檀)。南座は松島屋さんの「お祭り」、封印切りの八右衛門、助六……筋書きの写真で「見たつもり」も残念。母は南座で松島屋令夫人にロビーでお会ひしたら「柏村君、また肥えてたわねぇ」と春に歌舞伎座でアタシがお会ひした時のことを笑はれたさうな。さとなほ氏のtwitterで新橋の(といふか銀座の)トニーズバーが本日で閉店と知る。五十二年の営業。何だかとてもウイスキーが飲みたくなり暮れ時、つてこの季節ぢやかなり世に恥づかしい時間だが銅鑼湾のb.a.r.に寄り余市21年を数杯いたゞく。地下鉄で太古。健怡広場の映画館で「十月圍城」(公式サイト)見る。1906年の香港、亡命先の日本で中国(革命)同盟会をば組織した孫文がこの年、革命蜂起画策がため日本を発ち香港に寄り中国各地の有志との密会。この映画はその香港をば舞台にした歴史巨編。本来は1906年から百年後の数年前に映画製作の筈が予算など難あり今となる。今回は保利集団がつき韓三平が監製で、そりやそれなら出来上がる。かなりド派手なカンフーアクションはさておき、清朝が遣つた孫文暗殺の組織に狙はれるなか僅か数時間の香港滞在。敵の目を欺き革命同志の会議をどう行ふか、香港の街中をどう逃げるか、孫文の母堂との再会は如何に……と敵と味方会はせて数百人、殺されては大袈裟、史実かはかなり乖離してゐるが、まぁ豪華スターづらりと勢揃ひでスリルとサスペンス、の娯楽映画。香港がこれだけ中国の近代史で重要でした、が主題なのかしら。電脳駆使してかなり当時の中環から上環を見事にセット再現して、舞台としてゐるだけでも面白ゐは面白いが。
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