陰暦十月廿一。大雪。明け方の腹瀉を五更瀉といふが五更ならぬ四更瀉でよく眠れぬまゝ朝に至る。月曜から一つ憂鬱なミッションのせゐかしら。ほんと気弱。晩に炮台山。自然や。某組織のF氏ご夫妻と来春小学一年の聡明な子息と鍋を囲むつもりが今日は朝からの雨で気温下がり鍋が好都合。折り紙で複雑な舟を折つてみせ六歳の子に評価されてしまつた。昔は定期購読してゐたが内容がマンネリに思へ暫く読んでゐなかつた雑誌「東京人」が荷風特集(生誕130年、歿後50年)なので十二月号取り寄せ特集を半分くらゐ読む。何だか荷風散人がいやに崇高な文人として語られる今日々、昭和29年に三菱銀行の数千万円の通帳や印鑑をば入つた鞄を電車の棚に置き忘れる有名な逸話だが、それを報じる新聞のどれだけ散人の扱ひが奇人変人か、といふこと、この特集に転載された董事の記事を見てつくづく感じる。小説は書くが鴎外、露伴とひつた大家でもなく、所謂花柳小説といはれればそれまで。俳句も失礼だが素人並で絵もよくするが文人画といはれるほどの粋に達してもをらず。断腸亭日剰こそ優れた日記文学だがそれを除くとやはり奇行の目立つ酔狂な作家といふ程度で、いま語られるほど崇高な孤独を愛する自由人なのかしら。アタシにはよくわからない。
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富柏村写真画像 www.flickr.com/photos/48431806@N00/
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