五月十三日(水)午後遅く新界屯門。コンテナトラックの走る数がこんなに凄まじいものか、と驚く。早晩に佐敦。Z嬢と待ち合はせ裕華國貨でお茶を買ひ油麻地で久々に美都餐庁に食す。CinematiqueでJacques Tati 監督の映画特集三本目で『ぼくの伯父さんの休暇』Les Vacances de Monsieur Hulot(1953年)観る。ユロ伯父さんが独得のキャラこそ出来上がつてはゐるが、次作『ぼくの伯父さん』に比べれば徹底した主張はなく、まだ悪戯やヘマばかりで他人に迷惑をかけることの連続。悪意的なところもあり。ナンセンスコメディとして可笑しい。ふと思へばサザエさんも『こち亀』の両さん、『男はつらいよ』の寅さんも登場した頃は目つきも厳しく意地悪なところもあり、それがだん/\丸まつて愛されるキャラになるばかり。プロレスのザ・ブッチャーもさうか。逆にどん/\嫌はれるキャラになるのは政治家だけ、か(笑)。で映画はこれでもか、これでもかのギャグの連発に鳥渡、食傷感すら覚えたがひと夏の浜辺のリゾートに遊ぶ客たちの出会ひから帰省までにギャグをまとめたところがタチ監督のセンスの良さ。これが『ぼくの伯父さん』では美学となり『プレイタイム』では壮大な映像実験となるのだから。
▼チヨートク先生がカメラ日記でSU(アエロフロート)からの封筒のロゴに添へられたヘチマ(か胡瓜)のことから、糸瓜といへば当然のやうに子規に言及されていらつしやる。かういふところが、さすが先生。で、ふと
糸瓜(へちま)なり席のつまりしアエロかな
と、子規には失礼だが絶句をチョートク先生と先生がお乗りになるアエロフロートで戯れ歌にする。と
ウオトカ一斗 アエロのそなへも 間にあはず
をとゝひの アエロの便も 取らざりき
と戯れ歌ならさら/\と出来るから。で、長徳先生からとても貴重な玉稿を見せていたゞいた、がこれは内緒。
富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/
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