富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-01-24

一月廿四日(土)曇。今週続いた暖かさが昨夕より寒空。今朝は摂氏十三度で春節に向け下がる由。内地は寒波。北京は摂氏零下十三度と聞く。毎週のやうに土曜もお仕事で本日は新界ご視察で出先でお仕事。昨日の銀行信用卡の自動引落し事件に続報がっ!とNHKのNW9なら「いつでも引落しできます!、クレジットカード解約してもカード利用者の銀行口座からの利用代金の引落しはそのまま。その数、数万件。香港の某銀行の杜撰さが明るみに出ましたッ!」とでも伝へるかしら。この件につき昨日の銀行職員から電話あり。今回の件は、余のこの銀行の信用卡は2007年の7月に解約、本来であればカード特典のPriority Passもそこで利用取消しとなるべき……理由はおそらく空港ラウンジ利用の度にその料金、といつても提携で格安だらうが、がPriority Passよりカード発行の銀行なりに請求が行き支払ひが発生の為。それが今回のケースではPriority Passが昨年8月迄有効で、7月末に利用あり。……とまで説明受け、当方も合点は余はAmexより提供の別のPriority Passあり、それを利用。但しAmexは付属カードにはこの特典提供なし、でZ嬢はPriority Pass有してをらず。で、この某銀行の特典で得てゐたZ嬢のPriority Passが8月まで有効だつたので、それを使つたもの。で利用後にPriority Passよりカード発行元の銀行に請求がいき、銀行側はすでにカード解約せし客のラウンジ利用ゆゑ、その代金はいただきます、と。以上が経緯。だが銀行は今回については銀行側もPriority Passの利用取消しとなること客にはつきり伝へもせず、ミスもありましたので今回のHK$200のご請求は取消し、これでなかつたことにさせていただきます、と。これについては納得。まぁこういふ間違ひはある。だが「なぜ自動引落しができるのよ?」に真つ当な回答なし。あらためて回答せよ、と電話を切る。数時間後に上司より電話あり。アタシが伝へたことは、そりやクレジットカードだから解約=即取消し中止とはできまい。いくつかは遅れた決済もあらう。解約寸前で大量の買物して姿くらますやうな輩も少なくなからう。ゆゑに数ヶ月、カード解約から確認が必要なのはわかる。が、なぜ一年半も自動引落しが活きてゐるの? 相手は「クレジットカードの解約はいただきましたが自動引落しの解約は(あなたが)されてゐなかつたので」と客側に責任転嫁。これがアタシを怒らせる。アナタの銀行は自動引落しは取消しせぬ限り自動引落しのデータのうちアタシらカード取消しのにも0の数字を毎月入れたまま提出してゐる、つてことでせう。その数、数千なのか果たして万の単位か。気がつかねば半永久にそのまゝ。「あなたの自動引落しはもう取り消されました。勝手に引落ししてゐるのではなく事前にステートメントをお送りして」だの「他のカード発行銀行や電話会社なども同じやうなことがあるのでは?」と電話の相手マネージャーは宣ふ。そちらの銀行にとつて最も大切なことは社内で、クレジットカード解約の客の自動引落し手続き等は三ヶ月なり半年で取り消す、といつた社内規則を作ることではないか?、さうでないと半永久的に過去の顧客からいつでも勝手にカネを引落しできる、そんな状態が続くのだから、と諭す。「貴重なご意見ありがたうございます」で済まさうとするので一ヶ月の猶予与へ、具体的にどう改善するのか文書での回答を求む。対応できなければ香港政府の個人資料私隱專員公署に報告するばかり。夕方、自動車で沙田小瀝源は石門の殺風景なる処まで送られ682系統のバスに乗車。ピンクフロイド聴きながら九龍の工業区傍の高速高架を過ぐ。遊びに寄る気力もなく日暮れ前に帰宅。ドライマティーニ二杯。新西蘭はJackson Estateの今晩はSauv Bl 07年飲んで順番に絶品なる大蒜のポタージュ、白アスパラガス、ブロッコリーとカリフラワーのサラダ、Sauv Bl飲みながら箸休めに頬張る茹で栗との絶妙、里芋と長葱のグラタン。Z嬢より彼女が作詞の面白い替へ歌を聴く。原曲は懐かしい「バナナが一本ありました」の「飛んでったバナナ」で
オバマが大統領になりました
初の黒人大統領
日本ぢやそれ聞いて大騒ぎ
小浜のオバサン ハワイアン
オバマ〜はど〜この大統領
オバマ〜、オバマ〜、オ〜バ〜マ!
と歌ふ。三節目は「小浜のオバサン フラダンス」の方が良ささうだが韻を考へると「小浜のオバサン ハワイアン」ださうで、納得。だがこれも元歌が「南の島の小猿」といふことで小浜氏への偏見と言はれるかしら。
▼深水埗より大埔道を鳥渡上つた処に位置する元・北九龍裁判法院の建物を粤劇文化センターにする発案ありと聞く。
朝日新聞吉田秀和さんの音楽展望「舞台と世界」と題してブレヒトを語る。秀和さんはわざと「私が初めてベルリンに行つたのは前世紀の中頃、まだドイツが東と西に分かれてゐた頃である」とまるでブレヒトの芝居のやうな言ひ回しで語り始める。前世紀は九年前はもう前世紀で、二十年前まではドイツはまだ東西に分断されてゐたのだけど「前世紀の中頃、まだドイツが東と西に分かれてゐた頃」と言ふだけで物語が始まる。秀和さんは「コーカサスの白墨の輪」といふ芝居のブレヒト自身による演出と稽古でのダメ出しを見てゐるのだ。秀和さんが妻バルバラさんを亡くしての休筆で周一さんの夕陽妄語との月イチで二日続く名連載が読めなくなつて久しいが周一さんの逝去で隔月くらゐの音楽展望だけが残つてゐる。

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富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/