十二月二日(火)快晴。築地のH君に買つてもらつた月刊「新潮」十二月号の特別付録、小林秀雄の講演CDをiPodに落とす。いつ聴けるのかわからぬが。忙しい時にかぎつてメールソフト(マイクロソフト社のEntourage)が朝から不調。昼過ぎにデータベースが毀れてゐます、とメッセージあり。一瞬ぞッとしたが20分ほどで修復完了。メールソフトが毀れたらご公務上大変なことになる、と思ひつゝアップル社のTime Capsuleが刻々とバックアップしてゐる、と思へば鳥渡安心なのだが。……と近くにいらしたA氏に自慢したら「悪いことやつてバレて証拠隠滅しよう、と思つた奴なんて、これ押収されたら一発でお縄だわな」と言はれる。然り。また、ワイヤレス上のセキュリティがいかに万全でも本体のリセットボタンを5秒だか押したまゝにされたら設定が毀れてしまふのだから脆いもの。諸事に忙殺されふら/\だつたが晩に招飲ありハッピーヴァレイの寿司澄。生牡蛎、刺身に続き金目鯛と白身の鯛それぞれのお頭が煮付けで供される。寿司を少しつまむ。午後になると視力がぐつと落ち眼精疲労やひどい肩凝りなど当たり前の今日この頃、それでも酒を、殊に日本酒や葡萄酒など醸造酒が良いのだが、を一口飲むと途端に視力向上し肩や頚の痛みも和らぐから。オヤヂの酒飲みは意外とさういつた症状からの回避も飲む一つの理由なの鴨。仝行のお二人から70年代の香港の日本人絡みの飲食事情拝聴。尖沙咀にはミラマホテルの金田中、インペリアルホテルの東京レストランはアタシも知つてゐるが酒場はクラブ黄昏やコパカパーナ。銅鑼湾にはクラブ大一など。興じて彼我で銅鑼湾のバーSに一飲。某氏が酔狂に「マニラ経由で帰らう」と提議あり。三更のお転婆となるが翌日が怖いのでバーSからほとんどアルコールを口服せず。フィリピン人の女給が余の唄う下手なカラオケに合わせフォークルの「悲しくてやりきれない」口遊むのもまた妙味。
▼「麻生首相では戦へない」党内懸念、政権二ヶ月で失速状態、と(朝日)。最初からこの人での脆弱さなどわかつてゐて、の自民党の総裁選定。安倍某の時と一緒。麻生先生云々よりやはり麻生担ぎで乗り切らうとゐた自民党じたいが一旦野に下り雑巾掛けして汗をかくべき。だがそれ以上にかういつた政権党に戦後を託したまゝで過ごしてきてしまつた国民にこそ今になつて大きなツケが到来か。
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