九月朔日(月)毒入り餃子だのアタシも中国関連で鳥渡したニュースでは驚かぬが今日の蘋果日報トップ記事は「內地禁土葬 親人買遺體頂包火化 殺人賣屍 九兇徒落網 揭陽多人遇害」(土葬禁じる内地で土葬望む遺族が他人の遺体購入しての火葬、これにメをつけ殺人犯して死体販売の凶悪犯9名逮捕、広東省揭陽で被害者続出)と。火葬にするご遺体価格は1万元。で商売になるから、と広東省の揭陽市郊外の村で発生の連続殺人、蘋果日報は今年に入り少なくても四百人が殺害された、とする。日暮れ頃に帰宅してドライマティーニ二杯。安らかに週の始まりかしら。ニュースで見た露西亜のプーチン首相の虎退治、アンタは加藤清正公か、の出来過ぎ。夕食とりつゝNHKのNW9を見れば女性キャスターが今日から夏休みで、と代理のキャスター紹介し、ニュースといへば「民主党が小澤君の代表続投でまとまる」だの(小澤民主党で自民党政権と何が変はるのか)、米国でニューオリンズにハリケーン接近だの(なぜNHKの記者が敢へて現場から生中継せねばならぬのか)、アフガニスタンで亡くなつたNGOメンバーの「悲しみの帰国」と告別式だの(メディアを前に両親がなぜあんなにきちんと名優のやうに語れるのかしら?)と思ってぼんやりテレビニュース眺めてゐれば突然の福田首相辞任のニュース。八時半より緊急の首相記者会見の生中継。福田二世「民主党の度重なる審議拒否や引き延ばしだの」と苦情訴へるが審議拒否など旧社会党でも対自民の常套手段。「次の自民党総裁のもとで体制を整へた上で国会運営」と言ふが実際には福田君の麻生嫌ひは明らか。と思へば実はこりや政界大編成の始まりぢやないか、と思ふ。それを「含み」での辞任決意。記者会見での質問で朝日のイトウなる記者が「総理辞任こそ政治不信を招くのでは?」と突つ込んだが、事実、いま辞めなければならぬ明らかな理由なし。記者質問の最後で中国新聞の記者がいみじくも質したのは「いつも記者会見でも総理は国政を他人事のやうに語つてゐた」といふこと。これについて福田君は「私は自分自身を客観的に見ることができる」と言ひ切つた上で記者に対して「あなたとは違ふ!」ともう悲しいかな、こんな一言とは。福田君に対しては明確な政治意思や路線を示せずといふ不満が多いが、築地のH君やアタシらの感覚では今回の改造内閣でこれだけ明確に「反小泉・反安倍」路線を敷いただけでも自民党内のバランス感覚で「民主党にはさう易々と政権は渡せぬ」の決意と思ったが自民党には明らかに不利なこの突如の辞任。福田内閣のまゝでの解散総選挙では自民党では福田路線で「反新自由主義」「反新保守主義」「アジア外交重視」の看板を挙げれば(それが有権者には響かず)民主党が逆目をはって構造改革路線や前原的な極右路線の勃興など可能性なきしもあらず。それを回避できたのかも知れぬことを福田二世への最後のはなむけの言葉としよう。自民党が次は麻生、民主党は小澤、でこんな与野党対決ではかつての自民党の田中、福田、大平といった派閥領袖競走以下。かりに小沢民主党政権実現でも何も変はらず。それなら自民党から主犯福田君、ハト派の大看板河野衆議院議長始め後藤田君らは出て、民主党から前原某だの右派や旧社会党左派出身でも政権ゴロ的な連中は出て、および他野党含めた(公明党を除く……笑)政権の大再編成以外ないでせう、で実はこの首相辞任は福田君の大芝居、政界大改編狙った「シャッフル」説、となる。さうでも考へないと、新総理にふさはしいのは?が構造改革右派の小池百合子といふことになり、お利口な有権者の皆さんが安易なヒロイン待望論で彼女を圧倒的に支持しかねないのが怖いし、FT紙までもが社説(2日)“Japan changes to more of the same”で
Mr Fukuda’s decision is probably the right one; if the LDP is to have a chance at the next election, it needs a more charismatic leader. A change in leader, however, will not mean a new manifesto. It will be more of the same. Change will need a rare event to take place: a change in ruling party.
なんて期待だかアキラメかわからぬ論評。どうであれそれにしても惜しまれるのは福田首相夫人の貴代子さん。もう少し妃殿下ぶり楽しみたかったところ。福田首相辞任で「後任は妻に」も面白かった鴨。またNHKでもNW9の女性レギュラーキャスター某にしてみれば自分が夏休みとったら、こんな一大事で一世一代の舞台をピンチヒッターに取られてしまって旅行先で地団駄踏んでゐるのかしら。ところでアタシ自身の在外選挙人証、平成12年6月の第42回衆議院比例代表選出議員選挙に始まり7回まで投票記録欄のあるカードがあと1回残すばかり。国政選挙などいつ続いてあるかもわからぬのだから予め選挙人証の更新はできぬのか?と郷里の選挙管理委員会に問ひ合はせれば選挙人証は記入欄が使ひ終はらぬと更新できぬ、との回答。そんな事務的な理由で選挙の投票の機会を逃すとしたら国内での通常投票ではあり得ぬのだから不公平ではないか?と指摘したが地方の選挙管理委員会レベルでは真ッ当な判断できるはずもなし。衆議院選挙を待つばかり、だが政界的にはまだ暫く準備期間が必要だらう。
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