八月卅日(土)快晴。朝日新聞の「惜別」欄に七月五日に逝去した波蘭文学の翻訳者、工藤幸雄さん(享年83歳)の回顧談あり。朝日ジャーナル誌か何かで波蘭の民主化の頃に知つた人だつたが後になつて若い頃に岩波少年文庫だかでこの方の訳した波蘭の少年物を読んでゐたことを知る。で今日の記事にこの工藤さんが昨秋立ち上げたご自身のブログ「ラピダリウム」のこと書かれてをりさつそく覗いたら不動産屋や印鑑屋の広告がいくつか並び
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だつて。スポンサー提供サイトとはゐへ余りに寂しい。ご本人の最後の記述は三月十日で
小生、永年に及ぶ喫煙の悪習の結果、肺気腫その他の診断を受け、明後12日に入院します。しばらくというか、当分の間か、ブログは休みとなります。 ごあいさつまで。入院中の用意に、初めてケータイを買いました。末尾の数字<4771>に気をよくしています。では、みなさま、ごきげんよう……
これくらい最期はさらり、とお別れをできるなんて。本日、裏山より大潭を10kmほど走り昼。午後は沿岸の木陰で微睡みつつ大江健三郎『万延元年』を読む。夕方帰宅途中にミニバスで銅鑼湾レイトン街で渋滞あり不便。何かと思へば警察の白バイが小型バスなど優先は香港大球場で今晩開催の北京五輪金牌中国選手団の見世物に急ぐ選手ら。国家が手塩にかけ養成の彼ら昨日来港、自称政治家「文革曽」行政長官自らが空港に迎へ(先日の香港選手団の帰港には「文革曽」姿見せず)昨晩は香港の五輪のタニマチ・崔某の九龍塘の豪邸にて歓迎宴(この崔の先代は広州ホワイトスワンホテル建設の愛国資本家にて当代が散財的にスポーツ好事家で北京五輪にもかなりの資金援助、その息子に近々北京五輪の飛び込み女王・郭晶晶が嫁ぐといふ噂あり)、今朝は八時に湾仔出臍の金紫荊広場にて国旗掲揚式、続いて香港科技大学にて学生との「つきあつてる彼がゐるかどうか教へてください」的なあまりに下らない交流会、午後は香港市民相手に五輪種目の表演、で晩が香港大球場での見ショータイム。北京五輪での競技済み閉会式から国家祝賀行事続き、で当然の如く愛国心、帰属意識低き南方のテコ入れで香港からのドサ回りは香港に始まりマカオ、珠海と続き、いくら国家政府が手塩にかけ養成の金メダル選手団とはいへ連日の人寄せパンダぶりに疲労困憊も甚だし、昨日は挨拶延々と続く歓迎式典で睡魔に襲はれ式典の最中、爆睡の金牌選手も少なからず。無惨。帰宅して夕餉に秋田酒造の「しみずの舞」なる吟醸酒を四合飲む。純米ばかりの身には大吟醸どころか吟醸酒でも閉口。日本は折りから悪天候のなか母よりおわら風の盆から利賀の野外歌劇で劇団SCOTの佐渡公爵夫人の公演愉しむ由、携帯からの写真付きメール届く。遠く離れても母よりの手軽な音信、それへの返事、啄木、英世の時分には能はざることなり。
▼米国総統選挙にて民主党が小浜馬楽君選出。イリノイ州選出の上院議員選挙では小浜君支持したアタシも米国総統となると小浜君の不明少なからず二の足踏み寧ろ共和党の「負因」候補のはうが一先づ此処四年では妥当では?と思ひもするが何せ共和党はブッシュ八年の拙政の後遺症あり。ましてや負因候補の副大統領候補=アラスカの女知事は台湾亜扁総統の呂某をば副総統に推挙以上の不安あり、でオイソレと負因候補の支持も出来ず混迷深まるばかり。いづれにせよ米国史上最低最悪のジョージ=ブッシュ八年が次期総統との相対比較で多少評価上がる怖れすらあり。台湾といへば民進党支持者数万人でインフレなど内政問題での不満掲げ台北で数万人規模の反馬デモ。明らかに亜扁疑獄で民進党がすでに脱党の亜扁など「なかつたこと」の如くするための運動展開。アジアの民主主義の優等生と云はれた台湾も亜扁のおかげでとんだ災難。だが結果論だがいかに国民党政権へのアレルギーこそあれ亜扁を「疑惑の銃弾」で再選させたあたりが「台湾の悲哀」だつた鴨。
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