五月廿三日(金)晴。猛暑。在北京のDazhao氏より「こんなもの造つてをります」と届いた画像。1920年代のモダン建築か、と思つてよく看れば香港のトラムの電車模型。相変らず精巧な手作業だが、やつぱりかう並べられると、どう看ても20年代のモダン建築として秀逸。トラム建築、と勝手に名づける。中環に出掛けプリンスビルヂングの画廊Alisan Fine Artsに寄り高行健(Gao Xingjian)の水墨画看る。Gao Xingjianはノーベル文学賞受賞の巴里在住の華人作家にて水墨の絵も好し。帰りがけにHMWにてショスタコーヴィッチの7番「レニングラード」(バーンスタインで市俄古)のCD入手。ふと同じくシカゴ響でアバド指揮でシュロモ=ミンツのヴァイオリンでベタだがメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のCD見つける。LPでの発売当時に話題となつたのがつい昨日のやうだが1981年の発売でもう27年前とは。LPも何処にしまつたままか、懐かしくCD購ふ。それと数日前に畏友William鄧達智君が信報に書いてゐたMary HopkinsのThose were the days「悲しき天使」なんてアタシらには1970年の大阪万博に合せた彼女の来日公演の記憶。このCDも探すがポップスで見つからず。店員に尋ねると若い彼はMaryなんて知らず検索の結果、クラシック&ジャズの隔離コーナーでジャズの隅にイージーリスニングの棚に在り。達智君がMary Hopkinsから蕭芳芳を語り、アニタ=ムイ、レスリー陳國榮に至るのが「人人都要做女妖」と表す。御意。帰宅してCDを聴きつつ赤葡萄酒をよく飲む。
▼四川省の地震被害多大なる小城市にて配給物資めぐり市職員が知己に優先配給だかで普段から小役人らの自私行為に不満募らせる群衆が暴れパトカー倒し付近の商店に打ち壊し行為あり。NHKのニュースで日本から派遣の医療チームが成都で通訳の水準の高さに驚いてゐたが四川省の外語熱の高さは清末からの伝統。成都の大学の日本語指導の高水準、四川省の英語レベルの高さは全国でも有数のもの。沿海州に対して、この山奥での外語熱と海外志向は巴里留学の鄧小平少年の例を挙げるでもなく興味深きもの。
▼ANAの香港支店が中環より尖沙咀に移転の由。その移転先がJAL香港支店と同じビルで「殴り込み」とか、更には「実は原油高でコスト削減のためJALとANAが大同団結で支店統合」など根も葉もない噂もあり。ANAといへば李嘉誠の次男リチャード皇子がANAと合弁で香港で航空会社設立といふ噂も巷にあり(バジェット航空か)。長兄のビクター皇子は地場のバジェット航空Oasis Airlines倒産で同社の経営者に資金融資。通信事業で父と長兄がハチソンテレコム、次男がPCCW経営、といふ家族で業界独占の再来か。李嘉誠といへば昨日の李嘉誠財閥の年次決算報告で話題は会社業績より蘋果日報への苦言つらつら。孫娘狙つた幼稚園での様々な手口での盗撮、亡妻の墓に参れば新聞社が日雇ひした気の触れた女に「私は李嘉誠の娘!」と叫ばせ話題づくり……激怒し続けたが最近では余りの低レベルのニュース作りが寧ろ笑へる、それほど李嘉誠の話題で新聞のトップ記事欲しいなら出演料を払へ、と李嘉誠。当然、蘋果日報には李嘉誠財閥系の一切の企業(長江実業、黄埔、Park'n ShopからWatsonsなどなど)一切の広告掲載なし。だが蘋果日報側にしてみれば中国政府批判は出来ても広告収入減が怖く李嘉誠に噛みつけぬ中、脇の甘さなど皆無の李嘉誠であるからこそ東スポ的に話題づくりの意義あり、といふところか。
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